日本語の「借りる」は、お金を払う場合にも払わない場合にも使えます。英語ではborrowとrentが別の語になるため、日本語の感覚のまま選ぶと、有料の場面でborrowを選び、rentが基本の形から外れることがあります。迷いの出どころは、使用料の有無を最初に確認しない点です。
この記事で分かること
- お金を払うかどうかでborrowとrentを選ぶ3つの手順
- lend・useとの役割の違いと、貸す側の言い方
- 有料なのにborrowを選ぶなど、取り違えやすい4つの形
対象:英語の語法(borrow・rent・lend・useの使い分け)
結論:borrowとrentはお金を払うかどうかで使い分ける
分かれ目は、その貸し借りで使用料を払うかどうかです。使用料を払って借りるならrentが基本で、払わずに借りて手元に持ち出すならborrowを使います。
持ち出さず、相手の場所に置いたまま使わせてもらう場面は、useが基本の形です。貸す側に回ると、物を無料で貸すならlend、有料で貸すならrent(またはrent out)が基本です。
例外は2つあります。お金の貸し借りでは、利息の有無を問わず、借りる側はborrow、貸す側はlendを使うのが一般的な説明です。部屋や会場のように持ち出せない物は、料金を払うなら、持ち出せなくてもrentが基本です。
本記事が扱うのは、borrow・rent・lend・useの4語の選び方です。lendとuseは、位置づけに必要な範囲だけ触れます。hire、lease、名詞のrent(家賃)、予約を表すreserveやbookは扱いません。
borrow・rent・lendは、いずれも目的語を直接取る他動詞です。他動詞の見分けが不安な場合は、先に自動詞と他動詞の違いを確認してください。この点は4語に共通するため、選ぶ軸はお金と場面の2点です。
borrowとrentの違い:お金の有無と、持ち出すかその場で使うか
下の表に、borrow・rent・lend・useの役割を並べました。
| 語 | 話し手の立場 | 使用料 | 物の扱い | 日本語のイメージ |
|---|---|---|---|---|
| borrow | 借りる側 | 払わない場面 | 持ち出して使う場面が中心 | 無料で借りる |
| rent | 借りる側・貸す側の両方 | 払う、または受け取る | 動かせない物も対象 | 有料で借りる、貸す |
| lend | 貸す側 | 受け取らない場面 | 相手の手元に渡す | 無料で貸す |
| use | 使う側 | 問わない | 元の場所で使う | その場で使わせてもらう |
borrowは、相手の物を返す前提で借り、しばらく使う動きを表します。手元に持ち出して使う場面で、特によく使われます。
rentは、使用料を払って借りる動きと、使用料を受け取って貸す動きの両方に使えます。借りる側か貸す側かは、前置詞のfrom・toやoutがあれば明確で、無いときは文脈で判断します。
有料で短期間だけ借りる場面では、英国式の英語でhireを使うことがあります。本記事はrentに絞ります。
borrowとrentを選ぶ3つの手順
以下の順番で確認してください。

手順1:使用料を払う貸し借りかを確認する
その貸し借りに、レンタル料・賃料・利用料などの支払いが含まれるかを確認します。含まれるなら、rentを選ぶのが基本です。支払いを前提にした貸し借りを表すのはrentで、borrowの意味そのものには支払いが組み込まれていないためです。
会場のように持ち出せない物でも、料金が絡めばrentが基本です。ただし、お金の貸し借りは例外で、借りる側はborrow、貸す側はlendを使うのが一般的な説明です。支払いが含まれず借りる側から言う文は手順2へ、貸す側の文は手順1のあと手順3へ進みます。
手順2:持ち出すか、その場で使うかを確認する
手順2で見るのは、支払いのない貸し借りを借りる側から言う文だけです。持ち出して使い、あとで返すなら、borrowを選びます。borrowは、持ち出して使う場面で多く使われる語だからです。
持ち出さず、相手の机や部屋に置いたまま使うなら、useが基本の形です。useは、物が元の場所にあるまま使う場面にも使える語だからです。その場で使うだけの場面にborrowを使う文もあるため、迷ったら持ち出すかを先に確かめます。
期間はforで添えます。forとsinceに迷う場合は、forとsinceの使い分け 現在完了の期間表現の基準が参考になります。
手順3:借りる側か貸す側かを確認する
最後に、話し手が借りる側か貸す側かを確認します。借りる側ならborrow(物を有料で借りるならrent)、貸す側ならlend(物を有料で貸すならrent outまたはrent to)を選びます。貸す側の文は、ここが語を選ぶ段階です。標準的な用法では、borrowとlendは、同じ貸し借りを借り手から見るか貸し手から見るかで語が分かれる対です。
rentは語そのものに借りる・貸すの区別がありません。前置詞やoutがあれば向きがはっきりし、無いときは文脈で判断します。rent X from Yなら借りる側、rent out X to Yやrent X to Yなら貸す側です。
borrowとrentの自作例文での比較
3手順が文の中でどう効くかを、3組の自作例文で見ていきます。
【比較例文】(編集部作成・1組目) 場面:Aは隣人に頼んで、使用料を払わずに借りる場面。Bは店で料金を払う場面。 A:Mr. Okada borrowed a folding bicycle from his neighbor for the weekend trip. (岡田さんは、週末の旅行のために、隣人から折りたたみ自転車を借りました。) → 手順1で、隣人から借りる場面に使用料の支払いは出てきません。手順2で、旅行へ持ち出すためborrowです。 B:Mr. Okada rented a folding bicycle near the station for 1,500 yen a day. (岡田さんは、駅の近くで、折りたたみ自転車を1日1,500円で借りました。) → 手順1で、1日1,500円の使用料を払うため、rentが基本の形になります。
【比較例文】(編集部作成・2組目) 場面:どちらも支払いのない社内の貸し借り。Aは持ち出す場面、Bは持ち出さない場面。 A:Ms. Kondo borrowed the lab’s label printer and carried it to her own desk. (近藤さんは、研究室のラベルプリンターを借りて、自分の机まで運びました。) → 手順1で、支払いは出てきません。手順2で、自分の机へ運ぶためborrowです。 B:Ms. Kondo used the label printer on the shared table by the lab’s window. (近藤さんは、研究室の窓際の共用テーブルで、ラベルプリンターを使いました。) → 手順2で、プリンターは共用テーブルに置いたままのため、useです。
【比較例文】(編集部作成・3組目) 場面:どちらも貸す側。Aは無料で貸す場面、Bは使用料を受け取って貸す場面。 A:Mr. Hirano lent his projector to the next-door class free of charge. (平野さんは、隣のクラスにプロジェクターを無料で貸しました。) → 手順1で、無料のためrentは選びません。手順3で、貸す側で支払いもないためlendです。 B:Mr. Hirano rented out his projector to a local chess club for 3,000 yen a day. (平野さんは、地域のチェスクラブに、プロジェクターを1日3,000円で貸し出しました。) → 手順1で、使用料を受け取るためrentが基本の形です。手順3で、貸す側のためoutを添えて向きを示します。
※本例文は編集部が作成したオリジナルです。教材からの転載ではありません。
borrowとrentの間違えやすいパターン:有料と無料、貸す側と借りる側
日本語の「借りる」「貸す」だけを頼りにすると、4つの形で取り違えが出ます。表中の英文は編集部が作成した例です。
| やりがちな判断 | 正しい判断 | なぜずれるか |
|---|---|---|
| Mr. Sato borrowed a wetsuit at the surf shop for 2,000 yen. | Mr. Sato rented a wetsuit at the surf shop for 2,000 yen. | 店に2,000円を払う貸し借りのため、手順1でrentが基本の形になります。日本語の「借りる」に引かれた形です |
| Mr. Kato rented a coworker’s umbrella for the walk to the station. | Mr. Kato borrowed a coworker’s umbrella for the walk to the station. | 同僚から使用料なしで借りて持ち出すため、手順1でrentに当たらず、手順2でborrowになります |
| Ms. Ando borrowed her camera to a coworker. | Ms. Ando lent her camera to a coworker. | 貸す側の動作です。標準的な用法ではborrowは借りる側の語のため、手順3でlendに直します |
| Ms. Mori borrowed the copier in the front office and made ten copies there. | Ms. Mori used the copier in the front office and made ten copies there. | コピー機は事務所に置いたまま使っています。手順2で持ち出していないため、useが基本の形です |
1行目のように有料の場面でborrowが使われる文や、4行目のようにその場で使うだけの場面でborrowが使われる文もあります。有料ならrent、持ち出さないならuseを先に考えるのが基本です。取り違えのもとは、1・2行目が使用料の確認、3行目が立場の確認、4行目が持ち出しの確認の抜けです。
次に学ぶ論点:riseとraiseの違いへ
borrowとrentは、どちらも目的語を直接取る他動詞同士の使い分けでした。riseとraiseは、目的語を取るかどうかが選ぶ基準そのものになる組です。riseとraiseの違い 目的語の有無で選ぶで、順に確認できます。
日本語では「借りる」の1語で済む場面が、英語ではお金の有無でborrowとrentに割れました。こうした割れ方をする組は他にもあり、比べる前に何を問えばよいかは、似た英語表現の使い分け 判断の軸を作る考え方で見られます。
- 前提になる論点:自動詞と他動詞の違い 目的語の有無で見分ける
- 次に学ぶ論点:riseとraiseの違い 目的語の有無で選ぶ
まとめ
- 分かれ目は、使用料を払う貸し借りかどうかです。払うならrentが基本、払わずに持ち出すならborrowを使います。
- 持ち出さず、相手の場所に置いたまま使わせてもらう場面は、useが基本の形です。
- 貸す側は、物を無料で貸すならlend、有料で貸すならrent out(またはrent to)が基本です。標準的な用法では、borrowは貸す側の動作には使いません。
- お金の貸し借りは利息の有無を問わずborrowとlendを使い、部屋や会場のように持ち出せない物でも有料ならrentが基本です。
- 確認の順番は、お金、物の動き、立場の3点です。
本記事は英語学習を目的とした情報であり、個別の学習指導・答案添削ではありません。 試験制度・出題形式は変更されることがあります。受験の際は必ず公式の最新情報をご確認ください。 → 免責事項(/policy/)
最終確認日:2026-10-03

