英文の動詞のあとに名詞が2つ並んでいると、目的語が2つなのか、1つ目が目的語でもう1つが補語なのか、判断に迷うことがあります。この迷いは、2つの語がイコールの関係にあるかを確認しないまま先に進む一点から起きます。
この記事で分かること
- S・V・O・Cという文の要素と5文型(SV/SVC/SVO/SVOO/SVOC)の対応
- 動詞の直後に続く語から文型を判断する5つの手順
- 第4文型と第5文型を取り違えやすい理由と見分け方
対象:中学校・高等学校 学校文法(5文型の判断)
英語の5文型とは何か S・V・O・Cで文の骨組みを見る
英語の文型とは、主語(S)・動詞(V)・目的語(O)・補語(C)という文の要素が、動詞の直後にどう並ぶかで文の骨組みを分類したものです。時や場所を表す語句は修飾語(M)として扱い、この並びには数えません。
学校文法では、この並び方を第1文型(SV)・第2文型(SVC)・第3文型(SVO)・第4文型(SVOO)・第5文型(SVOC)の5つに分けて説明します。7文型や8文型まで細分化して教える教材もありますが、本記事は学校文法で広く使われる5文型の枠組みで整理します。
文型を判断するには、まずどの語が動詞かを見極める必要があります。品詞の見分け方は英語の品詞の見分け方 8品詞の役割の整理方法で先に整理しているので、動詞の判定に迷う場合はそちらを先に確認してください。ここでは、動詞が決まったあとの判断に絞って手順を整理します。
つまずくのは「動詞の直後の語」を数だけで判断すること
文型を誤るとき、見落とされているのはたいてい次の2点のどちらかです。
1つ目は、動詞の直後に名詞が2つ並んでいるのを見て、反射的に「目的語が2つある(第4文型)」と決めてしまうことです。実際には、後ろの名詞が前の名詞とイコールの関係になっていれば、それは目的語ではなく補語で、第5文型になります。名詞の数だけを見て、語同士の関係を確認していません。
2つ目は、補語を取る動詞をbe動詞だけだと思い込むことです。look・seem・sound・becomeのような動詞も、直後に補語を取って第2文型を作ります。be動詞以外の動詞に出会うと、反射的に目的語だと判断し、第2文型の可能性を見落とします。
どちらの見落としも、動詞の直後にある語を見た目や数だけで処理し、語同士の関係を確かめていない点で共通しています。次の手順では、この関係を確かめる作業を判断の中心に据えます。
文型を判断する5つの手順
文の骨組みは、この5段階を順に当てはめて見分けます。動詞を先に固定し、直後の語の有無・イコールの関係・目的語の数という順に絞り込み、最後に修飾語を切り分ける並びです。

手順1:動詞を確定する
文の中でどの語が動詞(述語)かを先に決めます。動詞が定まらないと、直後に続く語の役割も決められません。
手順2:動詞の直後に語が続くかを確認する
動詞の直後に何も続かない、または修飾語(M)しか続かない場合は、第1文型(SV)です。ある動詞が目的語を取るかどうかは動詞ごとに決まっており、この判断は自動詞と他動詞の違いで扱う内容と重なります。
手順3:直後の語が主語とイコールかを確認する
動詞の直後に語が1つだけ続く場合、その語が主語とイコールの関係になっていれば補語で第2文型(SVC)、イコールでなければ目的語で第3文型(SVO)です。
手順4:目的語が2つ続くとき、2つ目との関係を確認する
動詞の直後に名詞(または名詞と形容詞)が2つ続く場合は、2つ目が1つ目とイコールの関係にあるかを確認します。イコールでなければ「〜に…を」という受け渡しの関係で第4文型(SVOO)、イコールであれば「〜を…だとする」という説明の関係で第5文型(SVOC)です。
手順5:残りの語が修飾語(M)かを確認する
S・V・O・Cのどれにも当たらない語は、時・場所・方法などを表す修飾語(M)です。その語を取り除いても文の骨組みが崩れないかどうかで確認できます。
実際に5つの文型を、上の手順に沿って判定してみます。
- The train arrived at the platform ten minutes late.
(電車はホームに10分遅れて到着しました。) → 手順2でarrivedの直後にはat以下の修飾語しか続かないため、第1文型(SV)です。
- Yamashita’s proposal sounds convincing to the board.
(山下さんの提案は、役員たちには説得力があるように聞こえます。) → 手順3でconvincingは主語のYamashita’s proposalとイコールの関係になるため、補語として第2文型(SVC)です。
- Fujimori replaced the broken chair yesterday.
(藤森さんは昨日、壊れた椅子を交換しました。) → 手順3でthe broken chairは主語のFujimoriとイコールではないため、目的語として第3文型(SVO)です。
- The workshop taught the new hires basic safety rules.
(その研修は新人スタッフに基本の安全ルールを教えました。) → 手順4でthe new hiresとbasic safety rulesはイコールの関係にないため、どちらも目的語で第4文型(SVOO)です。
- The committee considers the proposal risky.
(委員会はその提案を危険だとみなしています。) → 手順4でthe proposalとriskyはイコールの関係にあるため、riskyは補語で第5文型(SVOC)です。
確認問題(編集部作成)
上の5つの手順だけで判定できる問題を2問用意しました。手を動かしてから解答を確認してください。
【確認問題1】 テニス部の顧問は、大会前に渡辺さんをキャプテンに任命することにしました。次の文の文型はどちらですか。
The tennis club named Watanabe team captain before the tournament.
A. 第4文型(SVOO) B. 第5文型(SVOC)
【解答】 B
【解説】 手順1でnamedが動詞と確定します。手順2で直後に語が続くため第1文型ではありません。手順4でWatanabeとteam captainの関係を確認すると、渡辺さん=キャプテンというイコールの関係が成り立ちます。イコールが成り立つ場合は後ろの語が補語になるため、この文は第5文型(SVOC)です。
【確認問題2】 雑貨店の店長は、初出勤の新人スタッフに倉庫の場所を教えることにしました。次の文の文型はどちらですか。
The manager showed the new staff member the storage room.
A. 第4文型(SVOO) B. 第5文型(SVOC)
【解答】 A
【解説】 手順1でshowedが動詞と確定します。手順4でthe new staff memberとthe storage roomの関係を確認すると、新人スタッフ=倉庫という関係は成り立ちません。イコールが成り立たない場合は2つとも目的語になるため、この文は第4文型(SVOO)です。
※本問・本例文は編集部が作成したオリジナルです。過去問・教材からの転載ではありません。
間違えやすい罠:第4文型と第5文型の取り違え
文型の誤りは、手順4の「イコールの関係」を確認しないまま名詞の数だけで判断したときに集中して起こります。
| やりがちな判断 | 正しい判断 | なぜずれるか |
|---|---|---|
| 動詞の直後に名詞が2つ並んでいたら反射的に第4文型と判断する | 2つの名詞(または名詞と形容詞)がイコールの関係かどうかを先に確認する | 「〜に…を」という受け渡しの関係と「〜を…だとする」という説明の関係を区別していないため |
| be動詞以外の動詞は目的語しか取らないと思い込む | look・seem・sound・becomeなどは補語を取り、第2文型になる場合があると確認する | be動詞だけを補語の目印にしているため |
| 時や場所を表す語を文の要素だと思い込んで数えてしまう | 取り除いても骨組みが崩れない語は修飾語(M)として扱う | S/V/O/Cのどれにも当たらない語まで数えてしまうため |
| 目的語が1つしかない文を第4文型と判断してしまう | 目的語が1つなら第3文型(SVO)で、2つ並んでいる場合だけ第4文型と第5文型の判定に進む | 名詞が並んでいるかどうかを数える前に「目的語は2つあるはず」と思い込んでしまうため |
この行き違いの多くは、名詞が2つ並んでいるかどうかだけを見て、手順4で確かめるはずの関係を省いたときに起こります。
次に学ぶ論点:品詞問題やTOEIC対策へ
文型が判断できるようになったら、次は品詞の知識を使って文法問題そのものを解く手順に進めます。判断の手順は品詞問題の解き方 語尾と働きで判断する手順にまとめました。
文型の判断はTOEIC Part5の読解速度にも関わります。品詞問題での使い方はTOEIC Part5品詞問題の解き方 語尾で判断で軽く扱っています。
品詞・文型の分野全体の学習順は英語の品詞・文型の全体像 品詞一覧と学ぶ順番にまとめてあります。
- 前提になる論点:英語の品詞の見分け方 8品詞の役割の整理方法
- 次に学ぶ論点:品詞問題の解き方 語尾と働きで判断する手順
- 分野全体の順番:英語の品詞・文型の全体像 品詞一覧と学ぶ順番
まとめ
- 文型は、動詞の直後にどんな要素(O・C・M)が続くかで、S/V/O/Cの並びを5パターンに分類したものです。
- 判断の起点は動詞の確定で、品詞の判断が前提になります。
- 直後の語が1つだけなら、主語とイコールなら補語(SVC)、イコールでなければ目的語(SVO)です。
- 目的語が2つ続く場合は、2つ目が1つ目とイコールかどうかで第4文型(SVOO)と第5文型(SVOC)が分かれます。
- 名詞の数だけで文型を決めず、語同士がイコールの関係にあるかを必ず確認します。
本記事は英語学習を目的とした情報であり、個別の学習指導・答案添削ではありません。 試験制度・出題形式は変更されることがあります。受験の際は必ず公式の最新情報をご確認ください。 → 免責事項(/policy/)
最終確認日:2026-09-21

