知覚動詞の後ろの形 原形不定詞・分詞の選び方|英文法の地図

知覚動詞の後ろの形を解説する記事のアイキャッチ 文法項目別の解き方

see や hear のあとに続く動詞を、原形にするのか、-ing にするのか、過去分詞にするのか。目的語の後ろの形は3通りあり、英文を作るたびに選び直すことになります。選ぶ軸は、目的語がする側かされる側か、動作の全体を知覚したか途中を知覚したか、の2つです。

この記事で分かること

  • 知覚動詞の後ろに原形・現在分詞・過去分詞のどれを置くかを決める4つの手順
  • 原形と -ing で、聞こえ方や見え方がどう変わるか
  • 受動態にしたときに to が現れる場面と、本記事で扱う範囲

対象:高等学校 学校文法(知覚動詞の後ろの形)/高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説

知覚動詞とは何か 後ろに原形不定詞・分詞が続く形

知覚動詞は、目で見る・耳で聞く・肌で感じるといった知覚を表す動詞で、see・watch・hear・feel・notice などが代表です。原形不定詞は、to を付けない動詞の原形のことです。後ろの形は、目的語の向き(する側かされる側か)と、知覚した範囲(動作の全体か途中か)の2点で、おおむね決まります。下表の「知覚したもの」の列は目安です。

後ろの形目的語との関係知覚したもの
原形不定詞する側動作の全体(始まりから終わりまで)
現在分詞(-ing)する側動作が進んでいる途中
過去分詞される側される動作や状態

学校段階での扱いは、文部科学省の学習指導要領解説に記述があります。高等学校の解説は、次のように述べています。

高等学校では新たに知覚動詞と共に用いる原形不定詞を扱う。

(文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 外国語編 英語編」「不定詞の用法」)

解説は、この原形不定詞を高等学校の学校文法で新たに加わる項目として位置づけています。同じ解説の文構造の項には、例として、目的語のあとに分詞が続く形も挙がっています(p.36)。学校文法では、この目的語のあとの語を補語とみなし、全体を第5文型(SVOC)に数えます。

本記事が扱うのは、知覚動詞の目的語のあとに続く動詞の形だけです。第5文型の判定は英語の文型の見分け方に委ね、to不定詞や動名詞を目的語に取る動詞の選び方は不定詞と動名詞の使い分けの守備範囲とします。make・let・have のような使役動詞、受け身の進行を表す being+過去分詞、名詞を修飾する分詞の判定は、本記事では扱いません。

つまずくのは「3通りの形」と「to の付け外し」

1つ目は、形を決める基準が2つあると気づかず、原形か -ing かの二択で考えてしまう場面です。過去分詞が必要な文でも原形や -ing を選び、目的語が受け身の関係にある点を見落とします。

2つ目は、日本語にすると原形と -ing の差が薄れる点です。「…するのを聞いた」と訳すと、全体を聞いたのか途中を聞いたのかが読み取れません。訳から形を逆算できないため、英文を作る段階で迷います。

3つ目は、受動態にしたときに to が現れる点です。能動態で to を付けない原形が、受動態では to 付きの形に変わります。能動態の癖で to を落とすと、誤りになります。

知覚動詞の後ろの形(原形不定詞・分詞)を選ぶ4つの手順

以下の順番で確認してください。

知覚動詞の後ろの形を選ぶ4つの手順を示した図

手順1:知覚の意味で使われているかを確認する

最初に、see や hear が、目・耳・肌で実際に感じ取る意味で使われているかを確かめます。see が「会う」「理解する」、hear が「聞いたところでは」の意味のときは、この形に当てはまらないためです。watch・notice・feel も知覚動詞で、listen to のような形も同じ並びを取ることがあります。

手順2:目的語が「する側」か「される側」かを確認する

目的語とそのあとの動詞が、「目的語が…する」関係か、「目的語が…される」関係かを見ます。される側なら、本記事の範囲では過去分詞になり、ここで判断が終わります。原形とそのままの -ing は能動の関係を表す形なので、される側の文には合いません。受け身の進行を表す being+過去分詞は、本記事では扱いません。する側なら手順3に進みます。

手順3:する側なら、動作の全体か途中かで原形と -ing を分ける

始まりから終わりまでをひとまとまりで知覚した場合は原形、動作が進んでいる途中を知覚した場合は現在分詞(-ing)を使います。-ing には進行中の意味があるため、途中の場面を切り取る文に合うからです。ただし、繰り返された動作を -ing で表す場合もあるため、この区別は目安です。どちらも成り立つ文は、知覚した範囲の違いとして読み分けます。

手順4:受動態にするときは、原形に to を付ける

知覚動詞の文を受動態にすると、原形不定詞は to不定詞に変わり、現在分詞は -ing のままです。学校文法ではこの形で整理され、意味は能動態とほぼ同じで、変わるのは to の有無です。ただし受動態になりやすいのは see や hear で、watch などは不自然になったり形が変わったりすることがあります。本記事で扱うのは、see・hear の文で、原形か現在分詞が続く受動態に限ります。

田辺さんの3文と配送ドライバーの2文で、4手順を当てはめます。田辺さんの最初の2文は、手順3だけが分かれ目です。

  • Tanabe heard the neighbor’s dog bark twice before dawn.

(田辺さんは、夜明け前に隣の犬が2回吠えるのを聞いた。) → 手順2で犬は「吠える」側、手順3で2回の鳴き声をひとまとまりで聞いたため、原形です。

  • Tanabe heard the neighbor’s dog barking as she locked the front door.

(田辺さんは、玄関の鍵をかけているとき、隣の犬が吠えている声を聞いた。) → 手順3で、吠えている途中を聞いたため、現在分詞です。

  • Tanabe felt her sleeve tugged by a child in the crowd.

(田辺さんは、人混みの中で、子どもに袖を引っ張られるのを感じた。) → 手順2で袖は「引っ張られる」側のため、過去分詞です。

  • The delivery driver was seen to leave the warehouse before noon.

(配送ドライバーが、正午前に倉庫を出るのを目撃された。) → 能動態の原形を受動態にした文なので、手順4で to が付きます。

  • The delivery driver was seen leaving the warehouse before noon.

(配送ドライバーが、正午前に倉庫を出ていくところを目撃された。) → 現在分詞が続く文は、手順4でも -ing のままです。

確認問題(編集部作成)

上の4手順だけで解ける問題を2問置きます。手を動かしてから解答を見てください。

【確認問題1】 展示会の受付で、岡田さんは列の後ろのほうから、自分の名前が呼ばれるのを聞きました。空所に入る形を選んでください。

Okada heard her name (    ) from the back of the line at the reception desk.

A. call B. calling C. called

【解答】 C

【解説】 手順1で、heard が「聞こえた」の意味だと確認します。手順2で、her name は「呼ばれる」側にあたるため、過去分詞の called が入ります。判断はここで終わるため、手順3以降は不要です。

【確認問題2】 音楽ホールの係員の篠原さんは、リハーサルで、ピアニストが曲を最初から最後まで通して弾くのを聞きました。次の英文を the pianist を主語にした受動態に書き換えるとき、空所に入る語句を答えてください。

Shinohara heard the pianist play the whole sonata from start to finish.

The pianist was heard (    ) the whole sonata from start to finish.

【解答】 to play

【解説】 手順1で、heard が「聞こえた」の意味だと確認します。手順2で、ピアニストは「弾く」側です。手順3で、曲を最初から最後まで通して聞いたため、能動態では原形の play になります。手順4で、受動態にするので原形に to を付け、to play が入ります。能動態の原形 play を受動態にする設定なので、解答は to play で一意です。

※本問・本例文は編集部が作成したオリジナルです。過去問・教材からの転載ではありません。

間違えやすい罠:to の付け外しと、向き・範囲の見落とし

to の付け外しの誤りは、原形が能動態では to なし、受動態では to 付きに入れ替わる点から生じます。受け身の関係の見落としは、目的語の動作の向きを確かめないときの誤りです。左列の英文には、誤りを再現するために編集部が作った非文が含まれます。

やりがちな判断正しい判断なぜずれるか
能動態の文に to を付ける(Tanabe heard the neighbor’s dog to bark twice before dawn.)to を付けない(Tanabe heard the neighbor’s dog bark twice before dawn.)知覚動詞のあとの原形不定詞は、能動態では to を伴いません。tell のように to不定詞を取る動詞の形を持ち込むと、起こりやすい誤りです
受動態の文で to を落とす(The delivery driver was seen leave the warehouse before noon.)to を付ける(The delivery driver was seen to leave the warehouse before noon.)能動態の形を引きずっています。受動態では原形が to不定詞に変わります
受け身の関係の文に、そのままの -ing を使う(Okada heard her name calling from the back of the line.)過去分詞にする(Okada heard her name called from the back of the line.)名前は呼ばれる側にあり、本記事の範囲では手順2で過去分詞を選びます
原形と -ing の一方だけを正しいと決める(dog bark と dog barking のどちらかを誤りとする)どちらも成り立つ文では、知覚した範囲の違いとして読み分ける手順3は目安で、全体を聞いたか途中を聞いたかという捉え方で形が変わるためです

次に学ぶ論点:分詞構文の作り方へ

ここで見た現在分詞と過去分詞は、目的語の状態を述べる働きでした。同じ分詞が主節の動作に時や理由を添える形は、分詞構文の作り方の担当です。知覚動詞のあとに並ぶ原形・現在分詞・過去分詞の3形が、準動詞全体の中でどう位置づくかは、不定詞・動名詞・分詞の全体像の形の一覧で見比べられます。

この論点は「to不定詞と動名詞の区別」を前提にしています。手が止まる場合は前提から確認してください。

【出典】

  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 外国語編 英語編」 https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/28/1407073_09_1_1.pdf (p.36・p.38、2026-10-03 確認)

※学習指導要領は改定されることがあります。本記事の記述は上記告示時点のものです。

まとめ

  1. 知覚動詞は see・watch・hear・feel・notice などで、後ろは「目的語+原形不定詞/現在分詞/過去分詞」のいずれかです。
  2. 手順は、知覚の意味、する側かされる側か、全体か途中か、受動態か、の順です。
  3. される側なら、本記事の範囲では過去分詞で終わりです。する側は、全体なら原形、途中なら現在分詞を目安にします。
  4. see・hear の文を受動態にすると、原形は to不定詞になり、現在分詞はそのままです。
  5. 学習指導要領解説は、知覚動詞と共に用いる原形不定詞を高等学校で新たに扱うと整理しています。使役動詞などは本記事の対象外です。

本記事は英語学習を目的とした情報であり、個別の学習指導・答案添削ではありません。 試験制度・出題形式は変更されることがあります。受験の際は必ず公式の最新情報をご確認ください。 → 免責事項(/policy/)

最終確認日:2026-10-03

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