分詞構文は、接続詞も主語も見当たらず、-ingで始まる形のため、どこから作ればよいのか迷います。作る側から見ると、決まった順に3か所を直す操作です。
この記事で分かること
- 接続詞を消し、主語をそろえ、動詞を分詞にする3つの手順
- 主語が違う文や、動詞がbe動詞の文で、手順をそのまま使えない場面
- 分詞構文の意味が文脈で決まる理由と、確かめ方
対象:高等学校 学校文法(分詞構文)
分詞構文とは何か 接続詞と主語を省いて分詞で始める形
分詞構文は、「接続詞+主語+動詞」のまとまりから接続詞と主語を取り除き、動詞を分詞に変えた形です。本記事の範囲では、接続詞を消す、主語をそろえる、動詞を分詞にする、の3手順で作ります。
次の2文は、同じ内容を表しています。1文目が出発点で、2文目が手順を通して作った分詞構文です。どちらも編集部作成の例文です。
- Because Haruka booked the hall late, she held the meeting in the cafeteria.
(ハルカさんは会場の予約が遅れたため、会議を食堂で開きました。)
- Booking the hall late, she held the meeting in the cafeteria.
(会場の予約が遅れて、彼女は会議を食堂で開きました。)
分詞構文の-ing形は、動名詞と形が同じです。動名詞は名詞の働き、分詞構文の-ing形は文全体に情報を足す副詞の働きをします。動名詞が目的語に入る場面は、不定詞と動名詞の使い分け 目的語に取る動詞の判断に例文があります。
意味は文脈で決まり、接続詞1つに置き換わるとは限らない
接続詞を消すと、時・理由・同時進行・動作の連続といった関係が文の中から見えなくなるため、読むときは文脈から推測します。
| 編集部作成の分詞構文 | 補える接続詞の例 | 関係を読み取る手がかり |
|---|---|---|
| Humming a tune, Rio washed the dishes. | while(同時進行) | 鼻歌と皿洗いが、同じ時間に進んでいる |
| Feeling sick, Daiki left the party early. | because(理由) | 体調の悪さが、早く帰る行動の原因として読める |
| Taking the lid off, Aya stirred the soup. | and・after(動作の連続) | ふたを取る動作のあとに、かき混ぜる動作が続く |
同じ形でも、文脈によって複数の関係が成り立つ文があります。補った接続詞は、元の文に戻して自然かを確かめてください。1つに決まらないときは、つなぎの意味を決めない訳にとどめます。
本記事で扱う範囲
本記事の「作り方」は、学校文法のうち、解説が「分詞構文」の名を挙げている項目に当たります。その記述は次の1文です。
また,意味のある文脈でのコミュニケーションの中で繰り返し触れることを通して活用するという観点から,今回の改訂においては,文法事項について,新たに「接続詞の用法」及び「前置詞の用法」を扱い,「代名詞のうち,it が名詞用法の句及び節を指すもの」及び「分詞構文」については必要に応じて扱うこととする。
(文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 外国語編 英語編」「文構造及び文法事項」)
解説は、文法事項の説明の中で分詞構文の名前を挙げ、必要に応じて扱うものとして述べています。本記事は学年を区切らず、作り方に絞ります。
- 扱う形:主節と主語が同じ文で、従属節を現在分詞(-ing形)で始まる形に直し、文頭に置く作り方。否定のnotと、was waitingのようにbeが助動詞の進行形を含む
- 扱わない形:独立分詞構文(主語を残す形)、慣用的な独立分詞構文、with+名詞+分詞の付帯状況
- 扱わない形:was tiredのようにbeが動詞そのものの従属節(Beingで始まる形)と、beingを省いた形(過去分詞で始まる形を含む)
- 扱わない形:分詞構文を主節のあとや文の途中に置く形
- 扱わない形:主節より前の出来事を示す、having+過去分詞の形
- 扱わない形:接続詞を残す形(while walking型)。whileはduringとwhileの違い 後ろに来る形で使い分けるに載っている
分詞構文の作り方でつまずくのは、消したものを取り戻せない場面
作る手順は短く、中心は消す操作です。消した主語や接続詞は文面から見えなくなるため、取り戻せない場面で誤りが起きます。
1つ目は、主語を消してよいかを確認しない場面です。分詞の前に主語がない文では、原則として、主節の主語が分詞の動作をする人(物)と読まれます。主語が違う文まで消すと、動作の主が入れ替わります。
2つ目は、動詞を-ing形にするときに、否定や進行形を見落とす場面です。didn’tやwasを残したままにすると、文が崩れます。
3つ目は、できあがった形の意味を、接続詞1つに決めようとする場面です。接続詞が消えているため、複数の読み方が残る文があります。
分詞構文の作り方 3つの手順
以下の順番で確認してください。手を入れるのは、接続詞が付いた従属節だけです。主節はそのまま残します。

手順1:接続詞を消す
出発点の文から「接続詞+主語+動詞」のまとまり(従属節)を探し、その接続詞を取り除きます。この形は、接続詞を使わずに2つの動きを1文に収めるため、つなぎ役の語を残しません。
先ほどの文では、Becauseを消します。
- Haruka booked the hall late, she held the meeting in the cafeteria.
→ 途中の形です。1文としては成り立ちません。
手順2:主語をそろえる
従属節の主語と主節の主語が、同じ人(物)を指すかを確認します。同じなら、従属節の主語を消します。分詞の前に主語がない形は、原則として、主節の主語が分詞の動作をすると読まれるためです。
先ほどの文では、Harukaとsheが同じ人物なので、Harukaを消します。
- booked the hall late, she held the meeting in the cafeteria.
主語が違うときは、ここで手順を止め、接続詞付きの文のまま使ってください。主語を残す形は、本記事の範囲外です。
手順3:動詞を分詞にする
残った動詞を、-ing形にします。ここで扱う単純形の-ing形は、主語や過去か現在かによって形が変わりません。時制は主節の動詞が示し、出来事の前後は動詞の意味や文脈から読みます。
- Booking the hall late, she held the meeting in the cafeteria.
→ bookedが、-ing形のbookingになりました。
元の文に否定や進行形がある場合は、次のように整えます。
- 否定は、notを-ing形の直前に置く(did not check → not checking)
- 進行形は、be動詞を消して-ing形だけを残す(was waiting → waiting)
従属節の動詞が本動詞のbe動詞のときと、主節より前に起きたことをはっきり示すhaving+過去分詞の形は、範囲外です。
分詞が名詞を修飾するときの-ingと-edの選び方は、TOEIC Part5品詞問題の頻出パターンを整理のパターン2が例を挙げています。
確認問題(編集部作成)
上の3手順だけで解ける問題を2問置きます。手を動かしてから解答を見てください。
【確認問題1】 蒼太さんは、鍵を事務所の机に置き忘れ、引き返す必要がありました。空所に入る語を選び、分詞構文を完成させてください。
Because Sota left his keys on the desk, he had to go back to the office. → ( ) his keys on the desk, he had to go back to the office.
A. Leaving B. Left
【解答】 A
【解説】 手順1ではBecauseを消します。手順2は、Sotaとheが同じ人物なので消してよい場面です。手順3で、leftが-ing形のleavingになります。Leftは-ing形ではないため、Bは入りません。置き忘れが先、引き返しが後という前後は、動詞の意味から読めます。
【確認問題2】 次の2文のうち、手順1〜3で分詞構文にできるのはどちらですか。書き換えた形も答えてください。
A. When Yuka finished the report, the printer jammed in the office. (ユカさんが報告書を仕上げたとき、事務所のプリンターが紙詰まりを起こしました。)
B. When Yuka finished the report, she sent it to her manager. (ユカさんは報告書を仕上げると、それを上司に送りました。)
【解答】 B。Finishing the report, she sent it to her manager.
【解説】 手順1でWhenを消します。手順2で主節の主語を見ると、Aはthe printerで、Yukaとは別のものです。ここで手順が止まります。Bは、sheがYukaと同じ人物のため、Yukaを消せます。手順3でfinishedをfinishingにして完成です。
※本問・本例文は編集部が作成したオリジナルです。過去問・教材からの転載ではありません。
間違えやすい罠:主語・否定・進行形・意味の決めつけ
左の列の誤用例は、成り立たない形、意味が合わなくなる形、決めつけた判断の3種類で、いずれも編集部が作成しました。
| やりがちな判断 | 正しい判断 | なぜずれるか |
|---|---|---|
| Haruka booking the hall late, she held the meeting in the cafeteria. | Booking the hall late, she held the meeting in the cafeteria. | 主節と主語が同じなら、従属節の主語は分詞の前に残りません。主語を残すのは、主節と主語が別のときの形です(手順2) |
| Checking the timetable, the last train had already left. | When Emi checked the timetable, the last train had already left. | 主節の主語the last trainと、従属節のEmiは別のものです。主語を消すと、時刻表を調べたのが電車と読まれ、意味が合いません(手順2) |
| Didn’t checking the schedule, she missed the first session. | Not checking the schedule, she missed the first session. | 分詞構文には、時制や人称で形が変わる動詞が残りません。didn’tもその形の1つで、否定はnotを-ing形の直前に置きます(手順3) |
| Being waiting for the train, she read a paperback. | Waiting for the train, she read a paperback. | was waitingでは-ing形が動詞の本体で、wasは時制を示す役です。分詞構文では時制を主節が示すため、wasは残りません。本記事の手順ではbeingを足さず、足すと-ingが2つ重なります(手順3) |
| Taking the lid off, Aya stirred the soup. を、whenと決めて訳す | 元の文に戻して確かめ、複数が成り立つなら関係を決めない訳にする | 接続詞が消えているため、when・after・andのどれでも読める文です。1つに決める根拠は、文面にありません |
次に学ぶ論点:準動詞の全体像へ戻る
手順2で、主節の主語が分詞の動作をする側かを読む見方は、知覚動詞の目的語がする側かされる側かを見る確認と同じ向きです。その確認があいまいなときは、先に知覚動詞の後ろの形 原形不定詞・分詞の選び方へ戻ってください。
分詞構文は、準動詞の3つの論点(目的語に取る動詞、知覚動詞の後ろの形、分詞構文)の最後にあたります。3つを並べて学習順を見直したいときは、不定詞・動名詞・分詞の全体像 準動詞の学ぶ順番へ進んでください。
- 前提になる論点:知覚動詞の後ろの形 原形不定詞・分詞の選び方
- 次に確認する内容:不定詞・動名詞・分詞の全体像 準動詞の学ぶ順番
出典
【出典】
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 外国語編 英語編」 https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/28/1407073_09_1_1.pdf (p.35、2026-10-03 確認)
※学習指導要領は改定されることがあります。本記事の記述は上記告示時点のものです。
まとめ
- 本記事の範囲では、分詞構文は接続詞を消し、主語をそろえ、動詞を分詞にする3手順で作ります。
- 主語が主節と違うときは手順2で止め、接続詞付きの文のまま使います。
- 否定のnotは-ing形の直前に置き、進行形はbe動詞を消します。
- 消えた接続詞の意味は文脈で決まり、複数の読み方が成り立つ文もあります。
- 独立分詞構文(慣用的なものを含む)・with+名詞+分詞・being省略形・having+過去分詞・接続詞を残す形・文頭以外の置き方は、範囲外です。
本記事は英語学習を目的とした情報であり、個別の学習指導・答案添削ではありません。 試験制度・出題形式は変更されることがあります。受験の際は必ず公式の最新情報をご確認ください。 → 免責事項(/policy/)
最終確認日:2026-10-03

