TOEIC Part5や英検の文法問題は、選択肢の意味が近く、時間内にどれか1つへ絞り込めないことがあります。この詰まりは、出ている問題が「品詞」「時制」「語彙・熟語」のどれを問うタイプかを、最初に見分けていない一点から起こります。
この記事で分かること
- 品詞・時制・語彙のどれが問われているかを見分ける4つの入り口
- 見分けたあと、どの解説記事の手順に進めばよいかの道筋
- TOEICと英検で共通して使える考え方と、試験ごとに変わる点
対象:TOEIC L&R(2026年度時点の試験形式)/実用英語技能検定 英検(2026年度時点の試験形式。大問構成は2級を代表例として参照)
TOEIC・英検の文法問題で何が問われるか
TOEICの文法問題として代表的なのが、Part5(短文穴埋め問題)です。1つの短い英文にある空所に入る語句を、4つの選択肢から選ぶ形式です。リーディングセクション(75分・100問)のうち、30問がこの形式にあたります。
英検にも、同じ形式の問題があります。大問1「短文の語句空所補充」で、文脈に合う語句を4つの選択肢から選ぶ点はPart5と共通しています。出題数は級によって異なり、2級を例に挙げると17問です。
どちらの試験も、空所に入る1語(または熟語)を、単語・熟語・文法という3つの観点が混ざった状態で選ばせる形式です。本記事では、この中でも文法の観点(品詞・時制など)に絞り、どのタイプの問題かを見分けて次に進む入り口を扱います。個々のタイプ別の絞り込み方は、後述の解説記事に譲ります。
つまずくのは、問題のタイプを見分けていないこと
TOEIC・英検の文法問題でつまずく場面には、共通した形があります。
1つ目は、選択肢の意味がどれも近く見え、日本語訳だけでは決め手がないことです。単語・熟語・文法のどの知識で解く問題かが定まらないまま選択肢を読むと、判断の基準がぶれます。
2つ目は、制限時間があるため、全部の選択肢をじっくり検討する余裕がないことです。TOEIC Part5は1問にかけられる時間が限られており、英検の大問1も試験全体の時間配分の一部です。
3つ目は、品詞・時制・語彙・熟語という異なる出題タイプが、同じ大問の中に混在していることです。前の問題と同じ基準で次の問題を見てしまうと、判断の軸がずれます。
3つとも、問題のタイプを決めないまま選択肢を読み始めたところから崩れています。次の章で、タイプを見分けて解説記事へ進むための4つの入り口を示します。
TOEIC・英検の文法問題を解くときの入り口(4つの手順)
空所を見たら、次の4つの入り口を順にたどり、どのタイプの問題かを決めて、対応する解説記事に進みます。ここでは「どちらへ進むか」までを扱い、進んだ先での絞り込み方は各記事に譲ります。

入り口1:空所の前後に文法的な手がかりがあるかを確認する
空所の前に冠詞や所有格があるか、後ろに動詞や前置詞があるかを確認すると、次の入り口2・3で品詞か時制かを判断できます。手がかりが見当たらない場合は、語彙・熟語の知識を問う問題である可能性が高くなります。
入り口2:手がかりが品詞に関わるものかを確認する
冠詞の直後・前置詞の直後・be動詞の直後など、空所の位置そのものが必要な品詞を決める手がかりになっている場合は、品詞問題です。品詞の基礎からの見分け方は品詞問題の解き方 語尾と働きで判断する手順で確認できます。その考え方をTOEIC Part5の形式に当てはめた解説がTOEIC Part5品詞問題の解き方 語尾で判断です。出やすいパターンを一覧で押さえたいときはTOEIC Part5品詞問題の頻出パターンを整理で確認できます。
入り口3:手がかりが時を表す語や前後関係に関わるものかを確認する
by the timeやalreadyのように時を表す語、あるいは文中の出来事の前後関係が手がかりになっている場合は、時制問題です。TOEIC Part5の時制問題の解き方はTOEIC Part5時制問題の解き方 時を表す語で整理しています。
入り口4:残り時間を見て、後回しにするかを判断する
入り口1〜3で迷いが長引きそうな場合は、いったん解答をマークして次の問題に進む判断も必要です。TOEIC Part5にかける時間の目安はTOEIC Part5の時間配分 使う時間の目安にまとめています。
確認問題(編集部作成)
上の4つの入り口だけで「どのタイプの問題か」を判定できるように作った確認問題を2問置きます。選択肢を最後まで絞り込む手順は、リンク先の解説記事で確認してください。
【確認問題1】 人事部の橋本さんは、新入社員向けの案内文を作成しています。次の英文の空所に入る最も適切な語を、選択肢から選んでください。
The training program is designed to improve the ( ) of new employees.
A. produce B. productive C. productivity D. productively
【解答】 C
【解説】 空所はimproveの目的語の位置にあり、名詞が必要です。動詞の目的語という品詞に関わる手がかりが空所の前にあるため、入り口2で判定する品詞問題にあたります。選択肢の語尾から名詞に絞り込む手順は、先に紹介した品詞問題の解説記事で確認できます。
【確認問題2】 営業部の高橋さんは、来月の会議の案内メールを書いています。空所に入れる語として最も適切なものを、選択肢から選んでください。
By the time the new manager arrives, the team ( ) the quarterly report.
A. finishes B. finished C. will have finished D. is finishing
【解答】 C
【解説】 By the timeという、未来のある時点までの完了を表す手がかりが空所の前にあります。時を表す語が手がかりになっているため、入り口3で判定する時制問題にあたります。
※本問・本例文は編集部が作成したオリジナルです。過去問・教材からの転載ではありません。
間違えやすい罠:タイプを決めずに選択肢を読み始める
文法問題のタイプを見分ける場面で起きる取り違えを、4つの型に整理しました。
| やりがちな判断 | 正しい判断 | なぜずれるか |
|---|---|---|
| 選択肢をすべて日本語に訳してから決めようとする | 空所の前後にある文法的な手がかりを先に確認する | 訳語だけでは品詞や時制の違いが見えないことがあるため |
| TOEIC Part5の時間配分の感覚をそのまま英検にも当てはめる | 試験ごとの出題数・制限時間を確認してから配分を決める | 出題数・制限時間が試験によって異なるため |
| 品詞問題と時制問題の手がかりを同時に探そうとする | 入り口1〜3の順に1つずつ手がかりを確認する | 判断の基準を並行して探すと、どちらの基準で選んでいるか分からなくなるため |
| 語彙・熟語問題なのに文法的な手がかりを探し続ける | 空所前後に文法的な手がかりが見当たらない場合は語彙・熟語の知識問題と判断する | 語彙・熟語問題は文法規則だけでは絞り込めないため |
4つとも、空所を見た直後に選択肢へ目を移し、手がかりの確認が後回しになっています。入り口の順番を先に固定しておくと、この種の取り違えを防げます。
次に確認すること:タイプ別の解説記事へ
上の4つの入り口で問題のタイプが決まったら、対応する解説記事に進んでください。品詞問題と時制問題は、TOEIC Part5に絞った解き方の記事で選択肢の絞り込み方まで確認できます。時間配分に迷う場合は、Part5の時間配分の記事で目安を確認できます。
英検の大問1も、空所前後の手がかりを見るという考え方は共通しています。ただし出題数・時間配分はTOEICと異なるため、英検に絞った対策記事は今後の追加を予定しています。現時点では、本記事の入り口1〜3の考え方をそのまま英検の大問1にも当てはめて確認してください。
出典
【出典】
- 一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会「テストの形式と構成」 https://www.iibc-global.org/toeic/test/lr/about/format.html (2026-09-21 確認)
- 公益財団法人日本英語検定協会「2級の試験内容」 https://www.eiken.or.jp/eiken/exam/grade_2/solutions.html (2026-09-21 確認)
※試験制度・出題形式は変更されることがあります。受験前に必ず公式ページで最新の情報をご確認ください。
まとめ
- TOEIC Part5と英検大問1は、どちらも空所に入る語句を4択で選ぶ形式で、単語・熟語・文法の観点が混ざっています。
- 文法問題でつまずく原因は、選択肢を読む前に問題のタイプ(品詞・時制・語彙)を決めていないことです。
- 空所前後の手がかりを4つの入り口の順に確認すると、対応する解説記事へ進む先が決まります。
- TOEICと英検は形式が似ていても出題数・時間配分が異なるため、同じ配分をそのまま当てはめません。
- 個々のタイプの絞り込み方は、品詞問題・時制問題・時間配分それぞれの解説記事で確認できます。
本記事は英語学習を目的とした情報であり、個別の学習指導・答案添削ではありません。 試験制度・出題形式は変更されることがあります。受験の際は必ず公式の最新情報をご確認ください。 → 免責事項(/policy/)
最終確認日:2026-09-21
