TOEIC Part5では、選択肢の意味がどれも近く見え、文を何度も読み返すうちに時間だけが過ぎることがあります。この迷いは、選択肢を先に見て品詞問題かどうかを判定せず、文全体を読んでから考え始める一点から起きます。
この記事で分かること
- TOEIC Part5の品詞問題を、文を全部読まずに解く5つの手順
- 同じ語尾の選択肢が複数残ったときに、意味で最終決定する考え方
- Part5に使える時間を圧迫しない読み方の考え方
対象:TOEIC L&R Part5(2026年度時点の試験形式)
TOEIC Part5の品詞問題では何が問われるか
TOEIC L&R Part5は、1つの文の空所に4つの選択肢から適切な語を選んで完成させる短文穴埋め問題です。出題数は30問です(出典:IIBC「テストの形式と構成」)。出題数や形式は変更される場合があるため、最新の情報は公式サイトで確認してください。
出題される内容には語彙・前置詞・動詞の形などいくつかの種類があります。そのうちの一部が、同じ語根から派生した名詞・動詞・形容詞・副詞の中から1語を選ぶ品詞問題です。選択肢の意味はほとんど同じに見えるため、日本語訳だけでは決め手がありません。
品詞問題そのものの判断手順は、学校の文法問題集にも共通する内容として品詞問題の解き方 語尾と働きで判断する手順で先に整理しています。本記事はその手順を前提に、Part5という限られた時間の中でどう使うかに絞って説明します。
つまずくのは「選択肢を見る前に文を全部読もうとする」こと
Part5の品詞問題でつまずく最大の原因は、他の設問と同じように文全体を丁寧に読んでから考え始めることです。品詞問題は語彙問題と違い、空所の前後だけで答えが決まる場合が多くあります。
リーディングセクションは100問を75分で解く形式です。1問ごとに文全体を読み直していると、Part5だけで使える時間を大きく削ってしまいます。
もう1つの見落としは、選択肢を先に確認しないことです。4つの選択肢が同じ語根の異なる品詞であれば、その時点で品詞問題だと分かります。読む前にこれを確認しておくと、読む範囲を空所の前後だけに絞れます。
語尾と働きで判断する5つの手順
以下の順番で確認してください。選択肢を先に見て読む範囲を決め、働きと語尾を照らし合わせ、最後に必要な場合だけ意味で確定させる並びです。

手順1:選択肢を先に見て品詞問題かどうかを判定する
空所を読む前に、まず4つの選択肢を確認します。語尾だけが違い、語根が同じ名詞・動詞・形容詞・副詞の組み合わせであれば、品詞問題だと判定できます。ここで判定できれば、文を全部読む必要はありません。
手順2:空所の前後2〜3語だけを見て働きを判定する
空所の直前・直後にある語だけを確認します。冠詞や所有格の直後なら名詞、be動詞や第5文型の補語の位置なら名詞か形容詞、動詞や形容詞を修飾する位置なら副詞と絞り込めます。
手順3:4つの選択肢を語尾で品詞ごとに仕分ける
名詞に多い語尾は-tion・-ity・-cy、形容詞に多い語尾は-able・-ive・-ant、副詞に多い語尾は-lyです。ここで決めるのはあくまで仮の品詞であり、この段階で解答を確定させません。
手順4:空所の働きに合う品詞だけを残す
空所の働き(手順2)と語尾の分類(手順3)がそろっている選択肢だけを残します。そろう選択肢が1つに絞れた時点で、それが解答になり、次の設問へ進めます。
手順5:候補が複数残る場合だけ周辺の意味を確認する
語尾で絞ったあとも、同じ品詞の選択肢が2つ残る場合があります。この場合だけ、空所の前後の意味を確認して最終判断します。文末まで読み直す必要があるのは、この手順まで絞り込めなかったときだけです。
この手順を、実際の1文に当てはめてみます。
The factory’s new equipment made the assembly line noticeably productive. (新しい設備によって、組立ラインの生産性が目に見えて上がりました。) → 手順2でmade the assembly line noticeably の直後という補語の位置なので、形容詞が必要です。手順3でproduction(名詞)・productive(形容詞)・productively(副詞)・produce(動詞)に仮分類できます。手順4で働きと一致するproductiveを選びます。
確認問題(編集部作成)
上の5手順だけで解ける問題を2問置きます。手を動かしてから解答を見てください。
【確認問題1】
The factory’s new equipment made the assembly line noticeably ( ).
A. production B. productive C. productively D. produce
【解答】 B
【解説】 手順1でproduction・productive・productively・produceという同じ語根の4語なので、品詞問題だと判定できます。手順2でmadeの補語の位置なので形容詞が必要です。手順3でproductiveだけが形容詞(-ive)に分類でき、手順4で働きと一致するためこれが解答です。
【確認問題2】
Ms. Carter received a ( ) discount for purchasing more than 100 units.
A. consider B. considerate C. considerable D. considerably
【解答】 C
【解説】 手順1でconsider・considerate・considerable・considerablyという同じ語根の4語なので品詞問題だと判定できます。手順2でdiscountという名詞の直前なので形容詞が必要です。手順3でconsiderate・considerableがどちらも形容詞に分類でき、候補が2つ残ります。手順5で「(数量や程度が)かなりの」という意味に合うconsiderableを選びます。considerateは「思いやりのある」という意味で、人の性質を表すため、この文脈には合いません。
※本問・本例文は編集部が作成したオリジナルです。過去問・教材からの転載ではありません。
間違えやすい罠:語尾が同じ選択肢を意味で確認しないケース
Part5の品詞問題の誤りは、絞り込みの途中にある手掛かりを飛ばして、早い段階で1つに決めてしまうときに起こりやすくなります。
| やりがちな判断 | 正しい判断 | なぜずれるか |
|---|---|---|
| 設問ごとに文全体を丁寧に読んでから考え始める | 選択肢を先に見て品詞問題かどうかを判定してから、読む範囲を決める | 文全体を読むと時間を消費し、Part5全体に使える時間を圧迫するため |
| 選択肢の語尾が一致した時点ですぐ決める | 空所の働き(主語・目的語・修飾語・述語のどれか)と語尾の分類が一致するかを確認してから決める | 語尾だけでは品詞は確定せず、空所の働きと合わない形は正解にならないため |
| considerableとconsiderateのように語尾が似た派生語を同じ意味だと思い込む | 同じ品詞の候補が2つ残ったときだけ、意味で最終判断する | 品詞まで絞れても、残った語どうしで意味が違うため |
| 候補が1つに絞れたあとも文末まで律義に読み直す | 働きと品詞が一致した時点で次の設問に進む | 絞り込めた時点で文末まで読み直しても判断は変わらず、時間だけを失うため |
絞り込みの途中で立ち止まらず先へ進むことが、表の4つの誤りの根っこにあります。手順どおりに1段階ずつ確認する順番に戻すと、この種の誤りは減らせます。
次に確認すること:品詞問題のパターンとTOEIC対策全体へ
Part5の品詞問題を語尾と働きで解く手順が身についたら、次は出題パターンごとの型に視点を広げて確認できます。名詞・形容詞・副詞のどれが問われやすいかという類型はTOEIC Part5品詞問題の頻出パターンを整理にまとめる予定です。
選択肢に動詞の語形が混ざる設問では、その動詞が目的語を直接取れるかどうかも判断材料になります。自動詞と他動詞の見分け方は自動詞と他動詞の違い 目的語の有無で見分けるで確認できます。
時制問題など品詞以外のタイプも含めて、Part5 全体をどの順で片づけるかはTOEICの文法問題で失点しないための解き方にまとめています。
- 前提になる論点:品詞問題の解き方 語尾と働きで判断する手順
- 次に確認する内容:TOEIC Part5品詞問題の頻出パターンを整理
出典
【出典】
- 一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会「テストの形式と構成」 https://www.iibc-global.org/toeic/test/lr/about/format.html (2026-09-21 確認)
※試験制度・出題形式は変更されることがあります。受験前に必ず公式ページで最新の情報をご確認ください。
まとめ
- TOEIC Part5の品詞問題は、選択肢を先に見て文を全部読まずに判定できる形式です。
- 判断の手順は、品詞問題かどうかの判定(手順1)→空所前後の働きの確認(手順2)→語尾での仮分類(手順3)の順です。そのあと一致する選択肢への絞り込み(手順4)→意味での最終確認(手順5)と続きます。
- 文全体を読んでから考える解き方は、Part5全体に使える時間を圧迫します。
- considerableとconsiderateのように、語尾と働きが一致しても意味が異なる派生語には注意が必要です。
- 働きと品詞が一致した時点で次の設問に進めるため、絞り込めたあとの読み直しは不要です。
本記事は英語学習を目的とした情報であり、個別の学習指導・答案添削ではありません。 試験制度・出題形式は変更されることがあります。受験の際は必ず公式の最新情報をご確認ください。 → 免責事項(/policy/)
最終確認日:2026-09-21

