TOEIC Part5の時制問題では、選択肢の動詞がどれも意味が近く見え、決め手が分からなくなることがあります。この迷いは、文中にある時を表す語句を確認する前に、動詞の形だけで選ぼうとする一点から起きます。
この記事で分かること
- 文中の時を表す語句から、時制の候補を絞り込む5つの手順
- by the timeやsinceなど、節の種類で時制の扱いが変わる理由
- 手がかり語句だけで決まらないときに、文脈で最終判断する考え方
対象:TOEIC L&R Part5(2026年度時点の試験形式)
TOEIC Part5の時制問題で試されること
TOEIC L&R Part5では、1つの文中にある空所に当てはまる語を、4つの選択肢から選んで文を完成させます。IIBC「テストの形式と構成」によると、Part5の出題数は30問です。形式や問題数は改定されることがあるので、受験前に公式サイトの最新情報を見ておいてください。
時制問題は、同じ動詞から作られた異なる時制の形(現在形・過去形・現在完了形・未来表現など)が選択肢に並ぶ設問です。意味だけを見比べるとどれも成立しそうに見えるため、文中の別の場所にある手がかりを使って絞り込む必要があります。
時制そのものの基本的な用法(完了・経験・継続など)は、英語の時制の全体像で整理しています。本記事はその内容を前提に、Part5という短文の中でどう手がかりを探すかに絞って説明します。
つまずくのは「手がかり語句を探す前に動詞の意味で決めること」
時制問題でよくある行き詰まりは2つあります。1つは、文中の時を表す語句を探す前に、動詞の意味だけで選ぼうとすることです。もう1つは、副詞節の中の時制規則を知らないことです。
TOEIC Part5の1問に使える時間は限られています。文全体を読み込んで意味を吟味する余裕がない場合、動詞の形だけで判断しようとして、似た意味の選択肢の間で迷いが生じます。
もう1つの見落としは、by the timeやwhenなどで始まる副詞節です。学校文法では、時や条件を表す副詞節の中は、未来のことでも現在形で表す規則があります。この規則を知らないと、未来の意味だと感じた瞬間にwillを選んでしまい、誤答につながります。
このずれは、動詞そのものの理解不足ではなく、確認する順番の問題です。次の手順で、確認する順番を整理します。
文中の時を表す語句で判断する5つの手順
以下の順番で確認してください。選択肢を見てから語句を探し、節の種類を確認したうえで、最後に文脈で決める並びです。

手順1:4つの選択肢が同じ動詞の時制違いかを見る
4つの選択肢を先に確認します。同じ動詞から作られた異なる時制の形(現在形・過去形・現在完了形・未来表現など)が並んでいれば、時制問題だと判定できます。
手順2:文中に時を表す語句がないかを探す
空所の前後だけでなく、文全体から時を表す語句を探します。手がかりになるのは、副詞・前置詞句・接続詞節のいずれかです。副詞ならyesterdayやnext week、前置詞句ならsinceやover the past、接続詞節ならby the timeやwhenが代表例です。
手順3:見つけた語句が示す時間の向きを確認する
手がかり語句が、過去の一点を指すか、現在までの継続を指すか、未来の一点を指すかを分類します。この段階では、まだ動詞の形を決めません。
代表的な語句を向きごとに整理すると、次のようになります。
- 過去の一点を示す語句:yesterday、last month、〜ago など(過去形の手がかり)
- 現在までの継続を示す語句:since〜、over the past〜、so far など(現在完了形の手がかり)
- 未来の一点を示す語句:next week、tomorrow、by 2027 など(未来表現の手がかり)
手順4:時・条件を表す副詞節かどうかを確認する
by the time、when、once、before、afterなどで始まる節の中にいる場合は、注意が必要です。学校文法では、これらの節の中は、未来のことでも現在形で表す規則があります。節の中の時制と主節の時制は別々に決まるため、両方を確認します。
手順5:候補が複数残る場合は文脈の完了・継続で最終判断する
語句だけで1つに絞れないときは、動作が完了しているか、まだ続いているかという文脈を確認します。この手順まで進む設問は多くありません。
ここで、1つの例文に手順を当てはめて確認します。
So far, the accounting team has processed over 200 invoices this quarter. (経理チームは今のところ、今四半期に200件を超える請求書を処理しています。) → 手順2でso farという語句を見つけます。手順3でso farは現在までの継続を示すため、現在完了形が必要です。手順4の副詞節規則には該当しません。したがって、has processedが正解です。
確認問題(編集部作成)
上の5手順だけで解ける問題を2問置きます。手を動かしてから解答を見てください。
【確認問題1】
物流センターの責任者を務める高橋さんは、新しい梱包機械の納品スケジュールについて、スタッフに説明したいと考えています。「梱包機械が到着するまでには、スタッフはすべての箱のラベル付けを終えているでしょう」を英語にする場合、空所に入るのはどれですか。
By the time the machine ( ), staff will have finished labeling every box.
A. arrives B. will arrive C. arrived D. has arrived
【解答】 A
【解説】 手順1でarrives・will arrive・arrived・has arrivedという同じ動詞の異なる時制の形なので、時制問題だと判定できます。手順2の対象になるのはby the timeという語句です。手順4でby the timeは時を表す副詞節を作るため、節の中は現在形で表す規則が適用されます。したがって、arrivesが正解です。
【確認問題2】
人事部で採用を担当する田辺さんは、営業部長としてのキャリアを紹介する社内報の原稿を書いています。「田辺さんは、会社が本社を福岡に移転して以来、地域営業部長を務めています」を英語にする場合、空所に入るのはどれですか。
Ms. Tanabe ( ) as sales manager since the firm moved to Fukuoka.
A. serves B. served C. has served D. will serve
【解答】 C
【解説】 手順2でsinceという語句を見つけます。手順3でsinceに続く節が過去形(moved)で書かれており、起点から今までの継続を示すため、現在完了形が必要です。手順4の副詞節規則は該当せず、has servedが正解です。
※本問・本例文は編集部が作成したオリジナルです。過去問・教材からの転載ではありません。
間違えやすい罠:副詞節の時制規則を見落とすケース
下の表は、時制問題でよく起こる4つの誤りをまとめたものです。手がかり語句を探さずに動詞の形を選ぶと、同じ誤りを繰り返しやすくなります。
| やりがちな判断 | 正しい判断 | なぜずれるか |
|---|---|---|
| by the time節の中をwill arriveにする | 時を表す副詞節の中は現在形のまま残す | 副詞節の中では未来のことも現在形で表す規則を見落としている |
| sinceの前の節(主節)を過去形にする | sinceの主節は現在完了形にする | sinceが示す起点から今までの継続を反映していない |
| 手がかり語句を探さずに動詞の意味だけで判断する | 文中の時を表す語句を先に探してから動詞の形を選ぶ | 語句を確認しないと候補を絞れず、勘に頼ってしまう |
| 主節と副詞節の両方に手がかり語があるとき片方だけ見る | 両方の節にある語句を確認してから対応関係を判定する | 副詞節と主節は別々に決まるため、片方だけでは判断を誤る |
手がかり語句を先に確認する手順に戻れば、この4つの誤りはどれも防げます。
次に確認すること:時制の基礎とTOEIC対策全体へ
時制問題の手がかりの探し方が身についたら、時制の基本的な用法や、TOEIC対策全体の中での位置づけも確認しておくと理解が安定します。
主節と従節で時制の扱いが変わるという考え方は、時制の一致とはで扱う規則とも関係があります。あわせて確認すると、節をまたぐ時制の判断に慣れやすくなります。
TOEICの文法問題全体でどう失点を防ぐかは、TOEICの文法問題で失点しないための解き方で確認できます。品詞問題と時制問題にどのくらいの時間を割り当てるべきかは、TOEIC Part5の時間配分にまとめています。
- 前提になる論点/分野全体の順番:英語の時制の全体像
- 次に学ぶ論点:TOEIC Part5の時間配分
出典
【出典】
- 一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会「テストの形式と構成」 https://www.iibc-global.org/toeic/test/lr/about/format.html (2026-09-21 確認)
※試験制度・出題形式は変更されることがあります。受験前に必ず公式ページで最新の情報をご確認ください。
まとめ
- TOEIC Part5の時制問題は、選択肢に同じ動詞の異なる時制の形が並ぶ設問です。
- 判断の手順は、時制問題かどうかの判定→時を表す語句の検索→語句の向きの確認→副詞節規則の確認→文脈での最終判断の順です。
- by the timeやwhenなどの副詞節の中は、未来のことでも現在形で表す規則があります。
- sinceに続く節が過去形で書かれている場合、主節は現在完了形になります。
- 手がかり語句を先に確認する手順に戻れば、同じ誤りを防ぎやすくなります。
本記事は英語学習を目的とした情報であり、個別の学習指導・答案添削ではありません。 試験制度・出題形式は変更されることがあります。受験の際は必ず公式の最新情報をご確認ください。 → 免責事項(/policy/)
最終確認日:2026-09-21

