現在完了と過去形は、どちらも日本語では「〜した」と訳せるため、訳し方から選ぼうとすると決め手が見つかりません。この記事では、文中の時を表す語句と、出来事が今の話に関わるかという2つの手がかりで選ぶ順番を、自作の例文で確かめます。
この記事で分かること
- 現在完了と過去形を選び分ける4つの手順
- this week のように期間が続いている語句があるときの考え方
- 選び間違えたときの典型的な誤りと直し方
対象:中学校・高等学校 学校文法(現在完了形と過去形の使い分け)
結論:現在完了と過去形はどちらを使うか
選ぶ軸は、その文が「いつ起きたか」を語っているのか、「今どうなっているか」を語っているのかです。文中に過去の一時点を答える語句があれば過去形、その語句がなく、出来事の結果や経験が今の話に関わるなら現在完了を選びます。
この軸には2つの手がかりがあります。1つは文中の時を表す語句で、もう1つは出来事と今とのつながりです。次の見出し以降で、この2つを見る順番を4つの手順に固定します。
この記事が扱うのは、2つの形のどちらを選ぶかという判断だけです。完了・経験・継続の3用法と手がかり語の一覧は現在完了形の使い方の担当で、ここでは再掲しません。過去形の規則変化・不規則変化も、過去形の使い方に任せます。
この結論には3つの留保が付きます。1つ目は since の後ろに置く時点、2つ目は期間の中の特定の1回の出来事、3つ目は米国式の英語の使い方です。いずれも、以降の見出しで取り上げます。
何が違うか:出来事を述べる形と、今につなぐ形
過去形は、過去に起きた出来事や状態を、その時点に置いて述べる形です。述べているのは「そのとき何が起きたか」までで、今がどうなっているかには触れません。
現在完了は、have/has に過去分詞を続けて、過去の出来事を今の状態や経験として扱う形です。伝えているのは、出来事の結果が今に届いているかどうかです。
次の2文は、同じ出来事について語り方だけが違います。
Sakai lost the key to the storage room. (酒井さんは倉庫の鍵をなくしました。) → なくした事実を述べるだけで、今も見つかっていないかは語りません。
Sakai has lost the key to the storage room. (酒井さんは倉庫の鍵をなくしたままです。) → 鍵がない状態が今も続いていて、その状態を話題にしています。
2つの形の違いは、次の表のとおりです。
| 見る項目 | 過去形 | 現在完了 |
|---|---|---|
| 文が語る中心 | 過去の出来事そのもの | 出来事の結果や経験が今どうなっているか |
| 過去の一時点を答える語句 | 文中にあれば過去形で決まる | 文中に置かない(since の後ろは別) |
| 今の状態との関係 | 文は触れない | 今の状態や経験として扱う |
現在完了と過去形を選ぶ4つの手順
以下の順番で確認してください。強い手がかりから先に見て、迷いが残るときだけ文脈の確認へ進む並びです。

手順1:「いつ」に答える語句があるかを確認する
文の後ろに「いつ?」を付けたとき、答えになる語句が文中にあるかを探します。答えにあたるのは、過去の一時点を指す語句です。yesterday、three days ago、in March、when I arrived などが該当します。
こうした語句が見つかれば、過去形に決まり、手順2以降には進みません。現在完了は出来事の時点を1つに定めない形のため、時点を固定する語句と同じ文に置くと、形の意味と語句の意味がぶつかるからです。
since の後ろにある時点だけは例外です。since last Monday の last Monday は、状態が続き始めた起点を示す語句です。「いつ起きたか」の答えとは役割が違うため、現在完了の文に置けます。
手順2:期間を表す語句が、話している今に届いているかを確認する
期間を表す語句には、this week、this morning、for six years などがあります。形は、その期間が今も続いているか、すでに終わっているかで分かれます。続いていれば現在完了、終わっていれば過去形です。
期間が今に届いているときは、出来事と今の間に切れ目がありません。そのため、今とのつながりを示す現在完了が基本の選択になります。ただし、期間の中の特定の1回の出来事だけを取り出して語る文には、過去形が選ばれる例もあるとされます。ここまでの回数や合計を伝える文は、現在完了が基本です。
for の後ろの期間も同じ見方で確かめます。for six years の6年が今に届いていれば現在完了で、すでに終わった6年を振り返るなら過去形です。for と since のどちらを置くかは、forとsinceの使い分けの手順で決められます。
手順3:出来事の結果や状態が、今も残っているかを確認する
時を表す語句が1つも見当たらないときは、出来事の結果が今も残っているかを見ます。鍵をなくした、プリンターを修理した、のように結果が今に残っていて、それを今の説明に使うなら現在完了です。
過去の事実を述べるだけで、今どうなっているかを話題にしないなら、過去形のままで足ります。現在完了を選ぶ根拠は、話し手がその結果を今の状況説明(理由や現状報告)として使っているかどうかにあるためです。
手順4:出来事を順に語る流れか、今の状況の報告かを確認する
手順3でも迷う場合は、文章全体の流れを見ます。出来事を時間順に並べて語る流れでは、1つ1つの出来事がそれぞれの時点に置かれるため、過去形を使います。
Mr. Sano opened the shop at nine, counted the stock, and then called a supplier. (佐野さんは9時に店を開け、在庫を数え、それから仕入先に電話をしました。) → 最初の動詞には at nine があるため、手順1で過去形に決まります。続く2つの動詞には時点の語句がなく、出来事を順に語る流れなので、同じ過去形で並べます。
今の状況と結びつけて話す文は、手順3の時点で現在完了に決まっているため、手順4まで回ってきません。
自作例文で比較する
形が決まる場所は、文によって手順1だったり手順2や3だったりします。3組の比較例文で、決め手になった手順を見ていきます。
【比較例文】(編集部作成・1組目) A:Ms. Inoue has repaired the printer, so we can print the handouts now. (井上さんがプリンターを修理したので、資料を今すぐ印刷できます。) B:Ms. Inoue repaired the printer on Tuesday morning before the meeting. (井上さんは火曜の朝、会議の前にプリンターを修理しました。)
【判定の根拠】 Bは手順1で on Tuesday morning という「いつ」の答えが見つかるため、過去形に決まります。Aには過去の一時点を答える語句がなく(now は今を指す語で、手順1の対象にはなりません)、手順2の期間の語句もありません。手順3で、修理の結果が「今印刷できる」という形で今に残っているため、現在完了を選びます。
【比較例文】(編集部作成・2組目) A:Kimura has visited three clients this week, and one visit remains. (木村さんは今週ここまでに3社を訪問し、あと1社の訪問が残っています。) B:Kimura visited three clients last week, and all of them agreed to the plan. (木村さんは先週3社を訪問し、3社とも計画に同意しました。)
【判定の根拠】 Bは手順1で last week が見つかり、過去形に決まります。Aは手順1の語句がなく、手順2で this week が話している今も続く期間だと分かります。「あと1社の訪問が残っている」という内容も、今につながる話です。したがって現在完了を選びます。
【比較例文】(編集部作成・3組目) A:Mr. Hayashi lived in Sendai for six years before moving to Fukuoka. (林さんは仙台に6年間住み、その後福岡へ引っ越しました。) B:Mr. Hayashi has lived in Sendai for six years and plans to stay. (林さんは仙台に6年間住んでいて、これからも住み続けるつもりです。)
【判定の根拠】 どちらも「いつ」の答えになる語句はなく、手順1では決まりません。手順2で for six years の期間が今に届くかを見ます。Aは before moving to Fukuoka で6年が終わっているため、過去形です。Bは plans to stay から6年が今に届いていると読めるので、現在完了です。
※本例文は編集部が作成したオリジナルです。教材からの転載ではありません。
手順だけでは決まらない場合:米国式の英語での扱い
ここまでの4手順は、学校文法の原則に沿った判断です。この原則と合わない文を、実際の英語では目にすることがあります。
たとえば米国式の英語では、already や just とともに過去形が使われる場合があるとされます。会話で聞いた文が手順と合わなくても、ただちに誤りと決める必要はありません。
一方、学校文法に沿って答える場面では、原則どおりの形を選びます。手順で出た答えは、まず学校文法での答えとして押さえてください。
間違えやすいパターン
表の4行は、現在完了と過去形が入れ替わった誤文を、when の疑問文・just now・終わった期間・今週の合計の順に並べたものです。
| やりがちな判断 | 正しい判断 | なぜずれるか |
|---|---|---|
| When have you moved to the new Sendai office? | When did you move to the new Sendai office? | when は出来事の時点を尋ねる語で、答えが過去の一時点になるため過去形を使います。 |
| Mr. Noda has left the office just now. | Mr. Noda left the office just now. | just と just now は別の語です。just now は「ついさっき」という過去の一時点を指します。 |
| Mr. Fujita has worked in Kobe for two years, and then he moved to Tokyo. | Mr. Fujita worked in Kobe for two years, and then he moved to Tokyo. | 期間の語句があっても、その期間が終わっていれば過去形になります。 |
| 週の途中で、ここまでの件数を伝える文を過去形で書く(Ms. Abe visited two suppliers this week.) | 今週ここまでの件数を伝える文として現在完了を選ぶ(Ms. Abe has visited two suppliers this week.) | this week は今も続く期間です。ここまでの合計を伝える文は、今とのつながりを示す現在完了が基本です。特定の1回を語る文は、手順2のとおり過去形になる場合もあります。 |
1・2行目は手順1の語句の確認、3・4行目は手順2の期間の確認が抜けた場面です。時点の語句も期間の語句も見当たらない文では、手順3・4が働きます。
次に学ぶ論点:have been toとhave gone toの違いへ
現在完了と過去形を選び分けられたら、次は現在完了の内側にある分かれ道です。移動を語る文では、主語が今どこにいるかが形の決め手になります。have been toとhave gone toの違いで、場所の確認から始める手順を確かめられます。
この記事の選び方は、過去形を作れることが前提です。時制全体の順番は英語の時制の全体像で見渡せます。
- 前提になる論点:過去形の使い方
- 次に学ぶ論点:have been toとhave gone toの違い
- 分野全体の順番:英語の時制の全体像
まとめ
- 現在完了と過去形は、文が「いつ起きたか」を語るか、「今どうなっているか」を語るかで選びます。
- 手順1:「いつ」に答える語句(yesterday、last week、when 節など)があれば過去形に決まります。since の後ろの時点は例外です。
- 手順2:this week や for six years のような期間が今に届いていれば、現在完了が基本です。終わっていれば過去形です。
- 手順3・4:時を表す語句がないときは、結果が今に残っているか、出来事を順に語る流れかで決めます。
- 米国式の英語には原則から外れる使い方もあるため、手順の答えは学校文法での答えとして押さえてください。
本記事は英語学習を目的とした情報であり、個別の学習指導・答案添削ではありません。 試験制度・出題形式は変更されることがあります。受験の際は必ず公式の最新情報をご確認ください。 → 免責事項(/policy/)
最終確認日:2026-10-03

