have been toとhave gone toはどちらも現在完了形の応用ですが、選ぶ形を間違えると意味が反対になることがあります。使う形を決めるのは、主語が今その場所にいるかどうかという一点です。
この記事で分かること
- have been toとhave gone toを分ける判断の軸
- 主語の現在地を確認して使い分ける手順
- have been inや一人称主語で迷ったときの扱い方
対象:中学校・高等学校 学校文法(現在完了形のhave been to/have gone to)
結論:have been toとhave gone toはどちらを使うか
使う形を決めるのは、主語が今その場所を離れて戻ってきているか、まだ戻っていないかの一点です。
主語が話題の場所からすでに離れ、経験として語れる位置(多くは話し手のいる場所)に戻ってきているなら、have been toを使います。反対に、主語が話題の場所へ向かったまま今もそこにいる、または移動中でまだ戻っていないなら、have gone toを使います。
この一点さえ固定すれば、日本語訳の「行ったことがある」「行ってしまった」という言い回しの違いに頼らずに判断できます。次の見出しから、この一点がなぜ2つの形の違いを生むのかという構造を確認し、判断の手順に落とし込みます。
何が違うか(経験用法と結果用法の違い)
have been toは、現在完了形の経験用法・結果用法の一部として使う形です。「〜へ行ったことがある」という経験、または「行って、すでに戻ってきた」という結果を表します。過去分詞のbeenは「(その場所に)いたことがある」という状態を表すため、今はその場所を離れている前提が成り立ちます。
have gone toは、現在完了形の結果用法にあたる形です。「〜へ行ってしまった」ことを表し、主語は今もその場所にいる、または向かう途中で不在という状態を示します。過去分詞のgoneは「行ってしまって、その場を離れた」という移動そのものを表すため、話し手のいる場所には戻っていない前提が成り立ちます。
似た形にhave been in+場所があります。この形は前置詞がtoからinに変わり、「(その場所に)いる状態がずっと続いている」という継続の意味です。「行った経験」を表すhave been toとは、移動を語るか滞在を語るかという役割そのものが違います。
現在完了形が持つ完了・経験・継続の3用法全体は現在完了形の使い方で整理しており、本記事はそのうち経験用法と結果用法の境界だけを掘り下げます。動作がずっと続くことを表す現在完了進行形は、この境界とは役割が異なる論点で、現在完了進行形の使い方で扱っています。
主語の現在地を確認する4つの手順
以下の順番で確認してください。主語を確認したあとに現在地を確認し、経験の語句がないかを見て、最後に前置詞の形を確かめる並びです。

手順1:主語が誰かを確認する
三人称の主語であれば、have been to・have gone toのどちらも使える対象になります。主語がI・weのような一人称の場合は、手順2に進む前に注意が必要です。学校文法では、一人称主語でhave gone toを使うことは通常想定されていないと説明されることが多いためです。もっとも、実際の英文の中には一人称主語のhave gone toの用例も見られるため、学校文法の外側には例外がある点に注意してください。
手順2:主語が今その場所にいない証拠を探す
主語が話題の場所からまだ戻っていない証拠になる語句を探します。so she is not at her desk nowやwill return next weekのような言い方が代表例です。このような語句があれば、have gone toの対象になります。
手順3:経験を表す語句がないか確認する
before・three times・everのように、過去の経験や回数を表す語句が文中にあるかを確認します。これらの語句があれば、経験を語る文と判断でき、have been toの対象になります。
手順4:前置詞がtoのままかを最終確認する
前置詞がtoからinに変わっている場合は、「その場所にいる状態の継続」を表すhave been inの可能性があります。前置詞を最後にもう一度確認すると、3つの形の混同を防げます。
次の例文で手順を実際に動かしてみます。
Yoshida has gone to Kyoto for the cherry blossoms and will return this weekend. (吉田さんは桜を見に京都へ行っており、今週末に戻る予定です。)
手順1で主語Yoshidaは三人称のため、どちらの形も候補になります。手順2でwill return this weekendという語句が見つかり、まだ戻っていないという不在の証拠になります。手順3では、beforeやthree timesのような経験を表す語句は見当たりません。手順4では前置詞はtoのままです。したがって、この文はhave gone toが適切だと判定できます。
自作例文での比較
上の手順で必ず判定できる比較例文を3組置きます。手順のどこで分かれるかを確認してください。
【比較例文】(編集部作成・1組目) A:Nakamura has been to Sapporo three times on business trips. (中村さんは出張で札幌に3回行ったことがあります。) B:Nakamura has gone to Sapporo on a business trip and will be back on Friday. (中村さんは出張で札幌へ行っており、金曜日に戻る予定です。)
【判定の根拠】 手順2でBには、will be back on Fridayという不在の証拠があります。手順3でAには、three timesという経験を表す語句が見られます。そのため、Aはhave been to、Bはhave gone toです。
【比較例文】(編集部作成・2組目) A:Ms. Kondo has been to the dentist twice this month. (近藤さんは今月、歯医者に2回行ったことがあります。) B:Ms. Kondo has gone to the dentist, so she is not at her desk now. (近藤さんは歯医者へ行っているため、今は席にいません。)
【判定の根拠】 手順2でBにはso she is not at her desk nowという不在の証拠が明示されています。手順3でAにはtwice this monthという回数の語句があり、経験用法と判定できます。
【比較例文】(編集部作成・3組目) A:The Sato family has been to Okinawa and got home yesterday. (佐藤さん一家は夏休みに沖縄へ行ってきて、昨日帰宅しました。) B:The Sato family has gone to Okinawa and will return next week. (佐藤さん一家は夏休みで沖縄へ行っており、来週戻る予定です。)
【判定の根拠】 手順2でAにはgot home yesterdayという帰宅の証拠、Bにはwill return next weekという不在の証拠があります。同じ「夏休みの沖縄旅行」という場面でも、帰宅済みか不在中かで形が変わることが分かります。
※本例文は編集部が作成したオリジナルです。教材からの転載ではありません。
間違えやすいパターン
判断がずれる場面を表に整理しました。共通点は、手順2の「不在の証拠」を確認せずに形を決めていることです。
| やりがちな判断 | 正しい判断 | なぜずれるか |
|---|---|---|
| Ms. Endo asked, “Have you ever gone to that art museum in Kanazawa?” | Ms. Endo asked, “Have you ever been to that art museum in Kanazawa?” | everという経験の語句がある文では、経験用法を持つhave been toを使います |
| I have gone to Osaka for a family errand. | I have been to Osaka for a family errand. | 学校文法では、一人称主語のhave gone toは通常想定されていません |
| Mr. Baba has gone to Kyoto three times. | Mr. Baba has been to Kyoto three times. | three timesという回数の語句は経験用法の手がかりのため、結果を表すhave gone toとは結びつきません |
| has been in Kyotoとhas been to Kyotoを同じ意味で使う | 滞在の継続を言うならhave been in、行った経験を言うならhave been to | inは場所にいる状態の継続、toは場所への移動の経験・結果を表します |
次に学ぶ論点:forとsinceの使い分けへ
have been toとhave gone toの判断ができるようになったら、次はforとsinceを使い分ける番です。どちらも現在完了形と一緒に使う期間表現ですが、判断の軸は「主語の現在地」とは別物です。forとsinceの使い分けで、期間の長さを言うのか始点を言うのかという基準を確認できます。
本記事で扱った経験用法と結果用法の境界は、現在完了形の使い方で整理した3用法のうち、完了・経験の2つにまたがる部分にあたります。
現在完了と過去形は、同じ基準点(今とつながっているか)を挟んで二択が決まる一組の時制です。分野全体の位置づけは英語の時制の全体像で確認できます。
- 前提になる論点:現在完了形の使い方
- 次に学ぶ論点:forとsinceの使い分け
- 分野全体の順番:英語の時制の全体像
まとめ
- have been toとhave gone toを分けるのは、主語が今その場所にいるかどうかという一点です。
- have been toは経験・結果を表し、主語は場所を離れて戻っている状態を示します。
- have gone toは結果を表し、主語はその場所にいる、または不在のままの状態を示します。
- 判定は「主語の確認→不在の証拠→経験の語句→前置詞の確認」という4手順で進められます。
- 一人称主語のhave gone toは学校文法では通常想定されておらず、have been inとの混同にも注意が必要です。
本記事は英語学習を目的とした情報であり、個別の学習指導・答案添削ではありません。 試験制度・出題形式は変更されることがあります。受験の際は必ず公式の最新情報をご確認ください。 → 免責事項(/policy/)
最終確認日:2026-09-21
