riseとraiseは、日本語にすると「上がる」と「上げる」で、綴りも1字しか違いません。値上げの文を書くときも、空所に入る形を選ぶときも、決め手が定まらないまま感覚で選んでしまう組です。
この記事で分かること
- 目的語の有無でriseとraiseを選ぶ4つの手順
- rise-rose-risenとraise-raised-raisedの活用形の違い
- 目的語・受け身・活用形での取り違えやすい4つの形
対象:中学校・高等学校 学校文法(自動詞と他動詞の識別)/英語の語法(riseとraiseの使い分けと活用)
結論:riseとraiseは目的語を取るかどうかで使い分ける
分かれ目は、動詞の直後に上げられる物が前置詞なしで置かれているかどうかです。「〜を上げる」と言うために目的語を置くならraise、目的語を置かず主語自身が上がるならriseを選びます。
活用は、riseがrise-rose-risen、raiseがraise-raised-raisedです。riseは過去形と過去分詞が別の形になり、raiseは-edを付けて作ります。この2語のうち、受け身の文(be動詞+過去分詞)を作れるのは、目的語を取るraiseです。目的語が見当たらなくても、受け身の形ならraisedを使います。
目的語の有無の見方は、自動詞と他動詞の違い 目的語の有無で見分けるで整理した基準に従います。本記事は、その基準をriseとraiseに当てはめる場面に絞ります。
扱うのは、上下の動きと数量の増減を表す基本の使い分けです。arise、lieとlay、名詞のrise・raise(昇給の意味など)、目的語が文頭に出る疑問文や関係詞節は扱いません。品詞・文型の学習順では英語の品詞・文型の全体像 品詞一覧と学ぶ順番の「動詞を細かく分ける」段階にあたります。
riseとraiseの違い:自動詞と他動詞の対、そして活用形
下の表に、2語の働きと活用形を並べました。内容は、中学・高校向けの英文法解説で一般的な整理に沿ったもので、活用形は編集部が学習用英英辞典の表記でも確認しています。
| 語 | 目的語 | 日本語のイメージ | 過去形 | 過去分詞 | 受け身 |
|---|---|---|---|---|---|
| rise | 取らない(自動詞) | 〜が上がる | rose | risen | 作れない |
| raise | 取る(他動詞) | 〜を上げる | raised | raised | 作れる(be raised) |
riseは、主語自身が下から上へ動くことと、数量が増えることを表します。raiseは、何かを高い位置へ動かすことと、数量を増やすことを表し、動かす対象を目的語として直後に置きます。
日本語の「上がる」と「上げる」も、自動詞と他動詞の対です。「運賃が上がる」ならrise、「運賃を上げる」ならraiseと、訳から当たりを付けられます。ただし訳は補助で、判定は英文の形で行います。
この2語のうち、活用で形が3つに分かれるのは、riseだけです。roseは花のバラと同じ綴りですが、動詞の位置にあればriseの過去形です。raiseは過去形も過去分詞もraisedで、形が分かれるrise側で取り違えが起きやすくなります。
riseとraiseを選ぶ4つの手順
以下の順番で確認してください。文を書くときも、空所を選ぶときも、同じ順で進められます。

手順1:動詞の直後に、上げられる物があるかを確認する
動詞の直後に、前置詞をはさまず「何を上げたか」に当たる名詞が続いているかを見ます。続いているなら、その名詞が目的語で、選ぶのはraise系(raise・raises・raised・raising)です。riseは、この記事の範囲では、目的語を取りません。
from・to・byのような前置詞で始まる語句、時や増減の幅(5 percentなど)を表す語句は、上げられる物ではありません。これらだけが続く文は、目的語がないものとして手順2へ進みます。名詞が目的語か迷うときは、英語の文型の見分け方 SVOCの判断の手順で直後の見方を確かめてから戻ります。
手順2:目的語がないとき、主語自身が上がるのか、受け身なのかを確認する
この記事の範囲では、目的語がない文は、主語自身が上がる文と、主語が誰かに上げられた受け身の文の2つに分かれます。be動詞のあとに過去分詞があれば受け身で、動詞はraise系です。「上げられた」と読む文のほか、「育てられた」「集められた」と読む受け身も、形は同じになります。受け身は、能動文の目的語を主語に置いた形なので、目的語を取る動詞に限られます。
受け身の形がなく、主語自身が上がる文はrise系です。
手順3:時制に合う形を選ぶ
系統が決まったら、時制に合う形を選びます。迷いやすい位置は次の3つです。
- have・has・hadのあと(完了形):riseならrisen、raiseならraised
- 過去を表す文で、助動詞もhaveもないとき:riseならrose、raiseならraised
- be動詞のあとの-ing形(進行形):risingまたはraising
raise系は過去形も過去分詞もraisedなので、位置ごとの確認が要るのはrise側です。
手順4:日本語に訳し直して、結果を点検する
選んだ形を英文に当てはめたら、「〜が上がる・増える・立ち上がる」と読めるか、「〜を上げる」「〜が上げられる」と読めるかを確認します。前者ならrise系、後者ならraise系で、手順1〜3の結果と合っていれば完了です。食い違うときは、手順1に戻って目的語を探し直します。
raiseの「育てる」「集める」の意味は「上げる」と訳せないため、点検を使わず、手順1〜3の結果を優先します。
riseとraiseの自作例文での比較
2組の自作例文に、4つの手順を当てはめて判定します。
【比較例文】(編集部作成・1組目) A:The ferry company raised its fares in March. (フェリー会社は、3月に運賃を上げました。) → 手順1で、raisedの直後にits faresがあり、上げられる物が目的語になっています。raise系で、手順3の過去形はraisedです。 B:Ferry fares rose in March. (フェリーの運賃は、3月に上がりました。) → 手順1で、roseの直後は時を表すin Marchだけで、目的語がありません。手順2で、受け身の形はなく主語自身が上がる文のため、rise系です。手順3で、過去形はroseです。
【比較例文】(編集部作成・2組目) A:The hourly wage at the cafe was raised by 50 yen in October. (そのカフェの時給は、10月に50円引き上げられました。) → 手順1で、raisedの直後はbyで始まる語句で、目的語がありません。手順2で、was+過去分詞の受け身のため、raise系です。手順4で「引き上げられた」と読め、結果と合います。 B:The hourly wage at the cafe has risen by 50 yen since October. (そのカフェの時給は、10月から50円上がっています。) → 手順1で、risenの直後もbyで始まる語句です。手順2で、has+過去分詞は完了形で、主語自身が上がる文のため、rise系です。手順3で、haveのあとはrisenになります。
※本例文は編集部が作成したオリジナルです。教材からの転載ではありません。
確認問題(編集部作成)
上の4手順だけで解ける問題を2問置きます。手を動かしてから解答を見てください。
【確認問題】(編集部作成) 問1:空所に入る語を選んでください。 The finance team ( ) the travel budget to 800,000 yen last week.(raised/rose) 問2:次の文が正しいか判断し、誤りなら直してください。 Ticket sales at the stadium have raised by 15 percent since the opening game.
【解答】 問1:raised 問2:誤り。Ticket sales at the stadium have risen by 15 percent since the opening game.
【解説】 問1は、手順1で空所の直後にthe travel budgetがあるためraise系です。手順3で過去を表す文なので、raisedです。 問2は、手順1で、haveのあとの語の直後がbyの語句なので、目的語がありません。手順2で、完了形(have+過去分詞)の中で売上が自分で増える文なので、rise系です。手順3でrisen、手順4で「売上が増えた」と読めて合います。
※本問・本例文は編集部が作成したオリジナルです。過去問・教材からの転載ではありません。
riseとraiseの間違えやすいパターン:目的語・受け身・活用形
riseの過去形roseも過去分詞risenも、raiseの-edの形とは見た目がつながりません。そのため、過去や完了の文でraisedとroseを混ぜる誤りが出ます。表の英文はすべて、編集部が作った例です。
| やりがちな判断 | 正しい判断 | なぜずれるか |
|---|---|---|
| The gym rose its monthly fee from April. | The gym raised its monthly fee from April. | 動詞の直後にits monthly feeがあり、上げられる物が目的語になっています。この記事の範囲では、2語のうち目的語を取るのはraiseです(手順1) |
| Ms. Sato raised from her seat before the speech. | Ms. Sato rose from her seat before the speech. | 直後はfromで始まる語句で、上げられる物がありません。目的語のないこの文に、目的語を取るraiseは置けません(手順1・2) |
| The sales target was risen to 120 units. | The sales target was raised to 120 units. | was+過去分詞は受け身で、受け身にできるのは目的語を取る動詞です。riseの過去分詞risenは入りません(手順2) |
| The water level in the reservoir has rose since noon. | The water level in the reservoir has risen since noon. | haveのあとは過去分詞です。riseは過去形roseと過去分詞risenが別の形で、過去形を流用すると完了形が成り立ちません(手順3) |
前置詞のbyやtoは、riseにもraiseの受け身にも付きます。例文2組目では、どちらの文にもby 50 yenが付いています。判定に使うのは、次の2点です。
- 動詞の直後に、上げられる物があるか
- be動詞+過去分詞の受け身の形か
次に学ぶ論点:品詞・文型の全体像で位置を確かめる
この論点は「自動詞と他動詞の違い」を前提にしています。手が止まる場合は前提から確認してください。
この見方が決め手になるのは、2語の一方が自動詞、もう一方が他動詞の組です。borrowとrentはどちらも他動詞で、目的語の有無では分かれません。borrowとrentの違い お金の有無と借りる場面の整理は、別の2点で選ぶ形で整理しています。
riseとraiseは、日本語にも「上がる」と「上げる」という自他の対があるため、訳から当たりを付けられました。日本語にそうした対がない組では、この当たり付けが使えません。その場合の整理の視点は、似た英語表現の使い分け 判断の軸を作る考え方に載せています。
- 前提になる論点:自動詞と他動詞の違い 目的語の有無で見分ける
- 次に確認する内容:英語の品詞・文型の全体像 品詞一覧と学ぶ順番
まとめ
- 分かれ目は、動詞の直後に上げられる物が前置詞なしで置かれているかどうかです。置かれていればraise、主語自身が上がるならriseを使います。
- 目的語がない文でも、be動詞+過去分詞の受け身なら、動詞はraise系です。この記事の範囲では、riseは受け身を作れません。
- 活用は、riseがrise-rose-risen、raiseがraise-raised-raisedです。この2語のうち、形が分かれるのはriseだけです。
- 確認の順番は、目的語、受け身、時制の形、日本語への訳し直しの4点です。
本記事は英語学習を目的とした情報であり、個別の学習指導・答案添削ではありません。 試験制度・出題形式は変更されることがあります。受験の際は必ず公式の最新情報をご確認ください。 → 免責事項(/policy/)
最終確認日:2026-10-03

