時制の一致とは 主節と従節の時をそろえる理由|英文法の地図

時制の一致とはどのような規則かを解説する記事のアイキャッチ 文法項目別の解き方

主節の動詞が過去形になったとたん、従節の動詞をどの時制にすればよいか迷うことがあります。この迷いは、主節の時制を確認する手順を飛ばし、従節だけを見て判断しようとする一点から起きます。

この記事で分かること

  • 主節が過去形のとき、従節の時制をどうずらすかの判断手順
  • 不変の真理・歴史上の事実など、時制の一致を受けない例外
  • 仮定法の従節が時制の一致の対象外になる理由

対象:学校文法(時制の一致)

時制の一致とは何か(主節と従節の時をそろえる規則)

時制の一致とは、主節の動詞が過去形になったとき、that節などの従節に出てくる動詞も合わせて過去側にずらす規則です。主節が現在形であれば、この規則は働きません。

本記事の学習順では、時制の一致は過去形と現在完了の基本用法を学んだあとに扱います。主節と従節という2つの節の関係を扱う規則のため、単文だけの時制判断が済んでいることが前提になります。

従節の動詞は、現在形なら過去形へ、現在完了や過去形ならおおむね過去完了へ、willならwouldへと1段階だけ過去側に動きます。ずらす段階は1つだけで、2段階以上さかのぼることはありません。

ただし、この規則には例外があります。次の見出しから、つまずきやすい2つの原因と、例外の見分け方を整理します。

つまずくのは「主節の時制確認」と「例外の見落とし」

時制の一致の誤りは、主節の確認漏れと例外の見落としのどちらかで説明できます。

1つ目は、従節の動詞だけを見て時制を決めようとし、主節の時制を確認する手順を飛ばすことです。主節が現在形であれば従節をずらす必要はないのに、従節だけを見て機械的に過去形へ書き換えてしまう誤りが起きます。

2つ目は、不変の真理や歴史上の事実のような例外を知らず、すべての従節を一律に過去側へずらしてしまうことです。水が沸騰する温度のような自然科学の事実まで過去形にずらすと、事実そのものが過去のことだったかのように読めてしまいます。

この2つのつまずきは、どちらも「主節を先に見る」という順番を飛ばすことで起きます。次の手順で、確認する順番を整理します。

時制の一致を判断する4つの手順

以下の順番で確認してください。主節を先に見て、例外の有無を確かめてから、最後にずらす作業をする並びです。

時制の一致を4つの手順で判断する流れを示した図

手順1:主節の動詞の時制を確認する

主節の動詞が過去形かどうかをまず確認します。主節が現在形や現在完了形であれば、時制の一致は起きません。従節はそのままの時制で書けます。

手順2:従節の内容が例外規定に当てはまるかを確認する

従節の内容が、不変の真理・歴史上の事実・現在も続く習慣や状態・仮定法のいずれかに当てはまるかを確認します。学校文法では、これらの内容は時制の一致の対象外、または扱いに幅があるものとして説明されます。

手順3:例外に当てはまらない場合、従節を1段階過去にずらす

例外に当てはまらない場合は、従節の動詞を1段階だけ過去側にずらします。現在形は過去形へ、現在完了や過去形はおおむね過去完了へ、willはwouldへ、canはcouldへ動きます。

手順4:例外に当てはまる場合の扱いを決定する

不変の真理や歴史上の事実であれば、従節は現在形または過去形のまま残します。現在も続く習慣は、学校文法でも現在形のまま残す説明と過去形にそろえる説明の両方が見られるため、断定せず文脈で判断します。仮定法を含む従節は、仮定法自体の時制がすでに独立した意味を持つため、さらにずらす対象にはなりません。

次の3文は、いずれも主節が過去形ですが、手順のどこで判断が分かれるかが異なります。

  • Kubota told the staff that the report was ready.(久保田さんは、報告書が準備できていると社員に伝えました。)

→ 手順2で例外に当てはまらないと確認し、手順3で現在形isを過去形wasにずらしています。

  • Sakuma said that the meeting had already started.(佐久間さんは、会議はすでに始まっていたと話しました。)

→ 手順2で例外に当てはまらないと確認し、手順3で現在完了has startedを過去完了had startedにずらしています。

  • Ms. Kaneda said that sound travels faster in water.(金田先生は、音は水中の方が速く伝わると説明しました。)

→ 手順2で不変の真理に当てはまると確認し、手順3の対象から外れるため現在形travelsのまま残します。

主節がsaidという過去形でも、従節の内容によってずらすかどうかが変わることが分かります。過去形そのものの作り方に迷う場合は、過去形の使い方で確認できます。

確認問題(編集部作成)

上の4手順だけで解ける問題を2問置きます。手を動かしてから解答を見てください。

【確認問題1】 部活動の主将を務める小林さんは、後輩に顧問の先生が言ったことを伝えたいと考えています。「先生は、大会が来月開かれると言いました」を英語にする場合、正しいのはどちらですか。

A. The coach said that the tournament would be held next month. B. The coach said that the tournament will be held next month.

【解答】 A

【解説】 手順1でsaidという過去形を確認します。手順2で大会の開催予定は不変の真理でも歴史上の事実でもないため、例外には当てはまらないと判断します。手順3でwillを1段階過去側のwouldにずらすため、Aが正しい形です。

【確認問題2】 社会科の授業を担当する黒木先生は、サンフランシスコで起きた大地震について説明したいと考えています。「地震は1906年にサンフランシスコで起きたと説明しました」を英語にする場合、空所に入るのはどちらですか。

Mr. Kuroki explained that the earthquake (    ) in San Francisco in 1906.

A. occurred B. had occurred

【解答】 A

【解説】 手順1でexplainedという過去形を確認します。手順2で1906年という年号付きの歴史上の事実に当てはまるため、手順3の対象から外れ、過去完了ではなく単純な過去形occurredのままにします。

※本問・本例文は編集部が作成したオリジナルです。過去問・教材からの転載ではありません。

間違えやすい罠:例外の判断ミスと対応の丸暗記

主節の時制を確かめずに進めたか、例外の扱いを取り違えたか。時制の一致の誤りは、この2つのどちらかです。

やりがちな判断正しい判断なぜずれるか
主節が過去でも従節を現在形のまま放置する例外でなければ従節を1段階過去にずらす手順1の主節確認を飛ばし、従節だけを見ています
不変の真理までtravelsをtraveledに書き換える不変の真理は現在形のまま残す手順2の例外確認を飛ばし、機械的にずらしています
歴史上の事実を過去完了にする年号が示す歴史上の事実は単純な過去形のまま残す基準点との前後関係ではなく、固定された年号であることを見落としています
仮定法の従節までさらに過去へずらす仮定法の時制はそのまま残す仮定法の時制がすでに独立した意味を持つことを見落としています

手順2の例外確認を飛ばすと、表の4つの誤りがすべて起こります。主節の確認と例外の確認を先に済ませる順番を固定すると、この混同に気づけます。

次に学ぶ論点:時制分野の学習順マップへ戻る

時制の一致の判断ができるようになると、時制分野の基本5論点が一区切りです。過去のある時点よりさらに前を表す過去完了形の作り方は過去完了形の使い方で確認できます。

時制の一致の判断は、TOEIC Part5の時制問題でも問われることがあり、判断の手順はTOEIC Part5時制問題の解き方で確認できます。時制分野全体の学習の進め方については、英語の時制の全体像をご覧ください。

まとめ

  1. 時制の一致は、主節の動詞が過去形になったとき、従節の動詞を1段階過去にずらす規則です。主節が現在形なら規則は働きません。
  2. 判断の手順は、主節の時制を確認し、従節が例外規定に当てはまるかを確認し、当てはまらなければ1段階過去にずらす、という並びです。
  3. 不変の真理と歴史上の事実は、学校文法では時制の一致の対象外として現在形または過去形のまま残します。
  4. 現在も続く習慣は、学校文法でも扱いに幅があるため断定せず文脈で判断します。
  5. 仮定法を含む従節は、仮定法自体の時制がすでに独立した意味を持つため、さらにずらす対象にはなりません。

本記事は英語学習を目的とした情報であり、個別の学習指導・答案添削ではありません。 試験制度・出題形式は変更されることがあります。受験の際は必ず公式の最新情報をご確認ください。 → 免責事項(/policy/)

最終確認日:2026-09-21

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