関係詞を学び始めると、thatとwhichの違い、省略、whereやwhenの使い方が別々の項目として並び、全体の中の位置が見えなくなります。位置が分からないまま1項目ずつ読むと、前の項目で得た見方を後の項目で使うことに気づきにくくなります。
この記事で分かること
- 関係代名詞と関係副詞の位置関係と、学校段階での登場時期
- 3つの論点を読む順番と、省略を関係副詞より先に置く理由
- 3時間という一巡の見積もりと、試験の対策記事へのつなぎ方
対象:中学校・高等学校の学校文法(関係代名詞・関係副詞)
関係詞とは何か 関係代名詞と関係副詞の位置関係
関係詞とは、名詞のあとに節を続けて説明を足すとき、その節の頭に置く語です。説明を受ける名詞を、先行詞と呼びます。英語では、日本語と逆に、説明が名詞の後ろへ付きます。
本記事群が扱う関係詞は、節の中での働きから2種類に分かれます。関係代名詞は、thatやwhichのように、節の中で主語や目的語といった名詞のはたらきをする語です。関係副詞は、whereやwhenのように、場所や時を表す副詞の役を担う語です。
同じ名詞に説明を足す文でも、節の頭に来る語が変わる例を、編集部が自作しました。
| 例 | 意味 | 節の頭の語 | 区分 |
|---|---|---|---|
| The bakery that Rina recommended opens at seven. | リナが勧めたパン屋は7時に開く | that | 関係代名詞 |
| The bakery where Rina works opens at seven. | リナが働くパン屋は7時に開く | where | 関係副詞 |
先行詞は、2文とも the bakery です。どちらの語を選ぶかの基準は、ここでは書きません。この地図では、関係詞に2種類あることと、学ぶ順番もその2種類に沿って分かれることだけを押さえます。
学校文法での登場時期は、学習指導要領の解説に書かれています。
中学校で扱う関係代名詞は,主格の that,which,who 及び目的格の that,which の制限的用法である。高等学校では新たに,先行詞をとらない関係代名詞 what や非制限的用法などを指導する。
(文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 外国語編 英語編」「関係代名詞の用法」)
関係副詞は,高等学校において初めて学習させるものである。
(文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 外国語編 英語編」「関係副詞の用法」)
この解説によると、中学校では関係代名詞のうち主格と目的格の制限的用法を扱い、関係副詞は高校で初めて学ぶ内容です。関係代名詞のwhatと非制限的用法も、高校で新たに加わります。実際の授業で何をどの順に学ぶかは、学校や教材によって違います。
| 区分 | 学校段階(解説の記述) | 本記事群での扱い |
|---|---|---|
| 関係代名詞(主格のthat・which・who、目的格のthat・which、制限的用法) | 中学校 | thatとwhichの選択、省略の可否を扱う(whoの使い分けは扱わない) |
| 関係代名詞(非制限的用法) | 高校で新たに | コンマの有無で選ぶ範囲(選択の記事)と、省略できない例外としての範囲(省略の記事)だけ触れる |
| 関係代名詞 what(先行詞をとらない) | 高校で新たに | 扱わない |
| 関係副詞(whereやwhenなど) | 高校で初めて | 関係代名詞との境を扱う |
who・whomの使い分け、先行詞を持たないwhat、複合関係詞(whoeverなど)は、本記事では扱いません。所有格のwhoseは、段階1の補足として、配下の記事で紹介します。前置詞が関係代名詞の直前に付く形(in whichなど)も、独立した論点にはしていません。この形が出てくるのは、thatを置けない例外(選択)と、省略できない例外(省略)の2か所です。関係副詞の記事では、前置詞を補って境を確かめる検算に使われます。この地図に載せるのは、編集部が選んで並べた5つの記事に限られます。
本記事群に出てくる関係詞の語を、区分別に並べます。語の見分け方は、この表には書きません。
| 区分 | 本記事群に出てくる語 | 主に取り上げる記事 |
|---|---|---|
| 関係代名詞 | that・which・who・whose | thatとwhichの選択、関係代名詞の省略、所有格のwhose |
| 関係副詞 | where・when・why | 関係代名詞と関係副詞の違い |
関係詞の学習順マップ 文型の確認から関係副詞まで
学習順は、文型の確認を前提に置き、thatとwhichの選択、省略、関係副詞との境の順に進める形で整理しました。編集部の整理であり、学習指導要領の解説が示す順序として載せたものではありません。

前提に置く文型の見方は、文の主語・動詞・目的語を見分ける力です。選択の記事は、この力で関係代名詞から始まる節の範囲をつかめることを前提にしています。省略の記事では、節の中で関係代名詞が主語の役か目的語の役かが、可否を左右します。
段階1にthatとwhichの選択を置いたのは、先ほどの解説で、中学校で扱う主格と目的格のどちらにもthatとwhichが挙がっているためです。ただし、段階1の記事にはコンマ付きの非制限的用法も出てきます。この用法は、解説が高校で新たに指導するとしている内容です。所有格のwhoseは、段階1の補足の項目です。
段階2の省略は、関係代名詞の直後にどんな語が続くかを手がかりにします。選択の段階で関係代名詞を決められるようになっていると、省略の判断では直後の語を見る作業だけに集中できます。
段階3の関係副詞は、解説が高校で初めて学習させるとする論点です。学校段階でも、関係代名詞を学ぶ中学校のあとに来る論点です。省略の記事は関係代名詞の直後の語を、関係副詞の記事は後ろに続く文の形を、それぞれ手がかりにします。見る場所はどちらも関係詞の後ろで、範囲が直後の1語から後ろの文全体へ広がります。そのため、直後の語を見る練習を先に済ませる並びにしました。
関係詞の論点別ガイド 3本の担当線
前提を含む5つの記事について、何が問われ、どこで止まりやすいかを短く紹介します。各記事の手順を、ここへ書き写すことはしません。5つの内訳は、前提、段階1から3、段階1の補足です。補足は、3つの論点の数にも、3時間の見積もりにも入れていません。
前提:文型の確認
関係代名詞から始まる節の範囲や、節の中で関係代名詞が主語の役か目的語の役かは、文型の見方が手がかりです。選択の記事では節の範囲をつかむ場面で、省略の記事では主語の役か目的語の役かを見分ける場面で、この見方が土台になります。文の骨組みから見直したいときは、英語の文型の見分け方 SVOCの判断の手順に戻れます。
段階1:thatとwhichの選択
関係代名詞のthatとwhichを、どちらにするか決める論点です。判断に使う材料は、直前のコンマの有無と先行詞の2点に絞られます。止まりやすいのは、どちらを入れても通る文と、片方しか入らない文が混ざる場面です。材料を順に当てはめて絞り込む手順は、関係代名詞thatとwhichの違い 使い分けの基準に載せています。
段階1の補足:所有格 whose
先行詞の持ち物にあたる名詞を、whoseの直後に置く形の補足の項目です。直後に名詞が続くので、節の範囲と主格・目的格との見分けで止まりやすくなります。直後の名詞が節の主語か目的語かで続きの形が分かれる流れを、関係代名詞whoseの使い方 直後に名詞が続く形が例文で確かめています。
段階2:関係代名詞の省略
関係代名詞が文から消える形を扱う論点です。先行詞が人かモノかで可否を考えると、省略できる場面を見落とします。省略された文を、不完全に見えるまま読み飛ばしてしまうのも、止まる原因です。例外を除いて直後の語で可否を決める流れは、関係代名詞の省略 できる場合とできない場合の見分け方が確認問題つきで取り上げています。
段階3:関係副詞との境
whereやwhenが入る文と、関係代名詞が入る文を見分ける論点です。先行詞が場所や時を表す語だからという理由だけで、whereやwhenを機械的に選んでしまう点で止まりやすくなります。後ろに続く文の形を手がかりにする見分け方は、関係代名詞と関係副詞の違い 後ろの文の形で見分けるを開くと読めます。
順番を間違えると起こりやすいこと
たとえば、whereの使い方だけを調べて関係副詞の記事から読み始めたとします。手前の記事で身につける、関係代名詞の直後を見る習慣がないまま、判断の基準を読むことになります。
手前が抜けていると起こりうることを、記事ごとに表へ並べました。この表は、3本の記事の位置関係をもとに、編集部が想定を並べたものです。学習者を調べた結果ではありません。
| 先に読み始めた論点 | 手前が抜けていると起こりうること |
|---|---|
| 段階1 thatとwhichの選択(文型の確認が抜けた場合) | 節の始まりと終わりを見分けにくく、コンマや先行詞を確かめる手前で止まる場合がある |
| 段階2 省略(thatとwhichの選択が抜けた場合) | 関係代名詞を決める見方が薄いまま、先行詞の種類だけで可否を考えやすくなる |
| 段階3 関係副詞との境(省略が抜けた場合) | 関係詞の後ろを見る習慣がなく、先行詞が場所や時を表すかどうかで where や when を選びやすくなる |
前の記事を読んでいなくても、読み進めながら必要になった記事へ戻る使い方はできます。最初から読み直さなければならないとは限りません。中学校で関係代名詞を学んだ記憶がある場合は、段階1と2を短く読み、段階3から始める進め方もあります。ただし、コンマ付きの非制限的用法は高校で新たに加わる内容なので、段階1の記事で一度確かめておくと安心です。
一巡にどれくらいかかるか
3つの論点を1時間ずつ進めると、合計は3時間です。1論点の1時間は、解説と、手順を当てはめた自作例文を読み終えるまでの長さで数えます。確認問題がついた記事では、問題に答えるところまでを含めます。この数字は、編集部が論点の数から割り出した想定です。実際に測った値ではありません。
| 確保のしかた | 週の合計 | 3時間に必要な期間 |
|---|---|---|
| 平日30分を5日、休日1時間を2日 | 4.5時間(0.5×5+1×2) | 約0.7週(3÷4.5)。1週間以内 |
| 平日30分を3日のみ | 1.5時間(0.5×3) | 2週間(3÷1.5) |
| 休日1時間を2日のみ | 2時間(1×2) | 1.5週(3÷2)。2週目の途中 |
文型の見方を確認していない場合は、前提の1論点を足して4時間で見積もります。4.5時間の確保なら、4÷4.5で約0.9週です。用語から慣れる必要がある場合は、1論点を2時間として見込むと無理が出にくくなります。3論点で6時間になり、4.5時間の確保なら約1.3週(6÷4.5)です。
確認問題がつくのは省略の記事だけで、選択と関係副詞の記事は自作例文の比較で確かめる構成です。かかる時間は記事ごとに差が出て、規則と好みが混ざる選択の記事は、1時間を超えがちだと見込んでいます。3時間を使い切っても、関係詞が身についたと言える状態になるとは限りません。一巡で間違えた論点をもう一度読む時間は、この3時間に入っていません。
関係詞を終えたあと、ほかの分野へ進むときの目印になる記事もあります。英文法のつまずきとは何か 学び直しの進め方は、時制・仮定法・品詞文型の3分野について、最初に読む記事を並べています。関係詞は、その記事の対象に入っていません。
試験対策との関わり
関係詞は、文法問題を解くときにも、長い英文を読むときにも出会う知識です。関係詞の問題がどれほどの割合で出るのかは、編集部では見積もっていません。実際の出題内容を知りたいときは、各試験の実施団体の公式ページを開いてください。
対策の記事から入りたい人には、TOEICの文法問題で失点しないための解き方が向いています。Part別の判断手順とあわせて、TOEICと英検の両方の対策に使える考え方を示した記事です。
演習で関係詞の問題を間違えたときは、3つの論点のどこで間違えたのかを切り分けると、読み直す記事が決まります。選択で迷ったのか、省略に気づけなかったのか、whereやwhenを機械的に選んだのかで、戻る先が変わるためです。
出典
【出典】
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 外国語編 英語編」 https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/28/1407073_09_1_1.pdf (p.38、2026-10-03 確認)
※学習指導要領は改定されることがあります。本記事の記述は上記告示時点のものです。
まとめ
- 関係詞は、名詞の後ろから説明を足す節を導く語です。節の中の働きで、関係代名詞と関係副詞の2種類に分かれます。
- 学習指導要領の解説によると、中学校では関係代名詞の主格と目的格の制限的用法を扱い、関係副詞は高校で初めて学ぶ内容です。
- 編集部の学習順は、文型の確認を前提に、thatとwhichの選択、省略、関係副詞との境の順です。省略の見方を、関係副詞の手前で済ませる並びにしました。
- 手前の論点が抜けていると、判断の理由が暗記に寄りやすくなります。表は編集部の想定で、学習者を調べた結果ではありません。
- 一巡は、編集部の想定で3論点が3時間です。平日30分を5日と休日1時間を2日、合わせて週4.5時間を確保できる場合は1週間以内が目安で、使いこなせる保証ではありません。
本記事は英語学習を目的とした情報であり、個別の学習指導・答案添削ではありません。 試験制度・出題形式は変更されることがあります。受験の際は必ず公式の最新情報をご確認ください。 → 免責事項(/policy/)
最終確認日:2026-10-03