関係代名詞thatとwhichの違い 使い分けの基準|英文法の地図

関係代名詞thatとwhichの違いを解説する記事のアイキャッチ 似た表現の使い分け

関係代名詞のthatとwhichは、どちらを入れても通る文がある一方で、片方しか入らない文もあります。入る語が決まるかどうかは、関係代名詞の直前にコンマがあるかと、先行詞が何かの2点で見分けられます。

この記事で分かること

  • thatとwhichを絞り込む4つの手順
  • どちらも使える場面と、片方しか使えない場面
  • 規則で決まる部分と、書き手の好みで揺れる部分の境目

対象:中学校・高等学校 学校文法(関係代名詞のthatとwhich)

結論:関係代名詞のthatとwhichはどちらを使うか

thatとwhichの選択は、関係代名詞の直前にコンマがあるかと、先行詞が何かの2点を順に見ると絞り込めます。コンマ付きで先行詞が人以外なら、使えるのはwhichだけです。コンマがなく先行詞が人以外なら、多くの文でwhichとthatのどちらも成立します。

先行詞が人以外でも、最上級やthe onlyが付くときはthatを選びます。先行詞が人のときは、whichを使えません。結果は次の表のとおりです。

場面whichthat
関係代名詞の直前にコンマがある(先行詞は人以外)使える使えない
コンマがなく、先行詞は人以外で、下の3行の条件に当たらない使える使える
コンマがなく、先行詞に最上級・the only・all などが付く通常は選ばない選ぶ
コンマがなく、先行詞が人使えない使える(who系も候補)
コンマがなく、先行詞が人と人以外の組み合わせ通常は選ばない選ぶ

この表のうち、規則として説明が揃っているのは、コンマ付きではthatを使わない点です。先行詞が人のときにwhichを使わない点は、標準的な英語の整理として一般的です。最上級などの行と、人と人以外の組み合わせの行は、説明の強さに幅があります。2行目は書き手の好みで揺れます。人の行に出るwho・whom・whoseの使い分けは、本記事では扱いません。

thatとwhichは何が違うか:先行詞の種類とコンマの有無

標準的な英語では、whichが受けられる先行詞は人以外です。thatは人にも人以外にも使えます。編集部が学校文法の記述を踏まえて整理すると、先行詞が人ならwhoかthat、人以外ならwhichかthatが並ぶ形です。

もう1つの違いはコンマです。コンマのない制限用法では、関係代名詞の節が先行詞を絞り込みます。コンマで区切る非制限用法では、先行詞はすでに特定されていて、節は補足を足す役です。thatは制限用法にだけ使い、whichは両方に使えます。

絞り込みか補足かで、文の意味も変わります。

The printers which are on the second floor are out of order. (2階にあるプリンターは故障しています。) The printers, which are on the second floor, are out of order. (プリンターは2階にあり、故障しています。)

→ コンマなしの文は、ほかの階にもプリンターがあり、2階の分だけが故障している読みです。 → コンマ付きの文は、話題のプリンターがすでに決まっていて、2階にあることを補足する読みです。

コンマ付きの形をいつ学ぶのかは、文部科学省の解説の記述から分かります。

中学校で扱う関係代名詞は,主格の that,which,who 及び目的格の that,which の制限的用法である。高等学校では新たに,先行詞をとらない関係代名詞 what や非制限的用法などを指導する。

(文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 外国語編 英語編」「関係代名詞の用法」)

この記述から、中学校で扱うのは制限用法で、非制限用法は高校で新たに指導される内容だと分かります。引用にある「主格」「目的格」は関係代名詞の役割の区分で、本記事の手順では使いません。

次の表は、どこまでが規則でどこからが揺れかを、判断ごとに分けたものです。

判断扱いの強さ本記事の手順での扱い
コンマ付きではthatを使わない学校文法でも英語の文法解説でも、規則として説明される手順1でthatを除く
最上級・the only・all などが付く、または人と人以外の組み合わせのときthat学校文法ではthatと説明される。解説によって「好まれる」程度の書き方もあり、断定の度合いが違う手順3でthatに固定する
人が先行詞のときwhichを使わず、thatを使うwhichを人に使わないのは標準的な英語の整理として一般的。thatを人に使うことは学校文法の整理で認められ、who系との選ばれやすさは文体や好みも絡む手順2でwhichを除くだけにとどめる
コンマなし・人以外・固定される形なしwhichもthatも成立する。文体ガイドや地域によって好みが分かれることがあると説明される手順4で「どちらも可」と判定する

本記事の扱う範囲は、先行詞が人以外のときのwhichとthatの選択と、人が先行詞のときにwhichを除くところまでです。who・whom・whoseの使い分けと、先行詞を持たないwhatは扱いません。前置詞が関係代名詞の直前に来る形(in whichなど)も対象外ですが、この形ではthatを置けません。省略できるかどうかも対象外です。where・whenが入る文は、関係代名詞と関係副詞の違いで、後ろの文の形から見分けます。

thatとwhichを選ぶ4つの手順

以下の順番で確認してください。文面から1つに決まるコンマの有無を先頭に置きます。

関係代名詞thatとwhichが使える場面を比較した図

手順1:関係代名詞の直前にコンマがあるかを確認する

コンマがあれば非制限用法で、thatは使えません。先行詞が人以外なら、入る語はwhichです。編集部は、先行詞がコンマの前の語句ですでに特定されていて、thatが担う絞り込みの役が要らないためと整理しています。

コンマ付きのwhichは、前の文の内容全体を受けることもあります。この形でもthatは使えません(罠の表の2行目)。コンマがなければ制限用法です。手順2へ進みます。

手順2:先行詞が人か人以外かを確認する

先行詞が人なら、whichは使えません。thatか、who・whom・whoseのうち役に合う語から選びます。先行詞が人以外なら、whichとthatの両方が候補に残ります。

手順3:先行詞がthatに固定される形かを確認する

次のどれかに当たるときは、thatを選びます。

  • 先行詞に最上級が付く(the largest museum など)
  • 先行詞にthe only・the first・the lastが付く
  • 先行詞にevery・noが付く
  • 先行詞がeverything・anything・nothing・allのような語である
  • 先行詞が人と人以外の組み合わせである(a volunteer and a dog など)

この位置は、学校文法ではthatと説明されます。解説によっては「好まれる」程度の書き方で、断定の度合いが揃っていないため、本記事の手順では、迷いを残さないようthatに固定しました。一覧は編集部が選んだ代表例です。

手順4:どちらも成立する文では、書き手の好みで選ぶ

手順1〜3のどれにも当たらない文では、whichもthatも文法として成立し、規則の外にある好みの領域になります。

米国の文体ガイドの中には、制限用法ではthatを使い、whichを避けるよう勧めるものがあります。英国式の英語では、この区別は厳密には求められず、制限用法でwhichを使う例も珍しくないと説明する解説があります。自分で書く英文は、提出先の文体指定があれば、それに合わせてください。

選択問題では、先に手順1〜3のどれかに当たっていないかを見直します。

自作例文での比較

手順1〜3のどこで形が決まるかが分かれる例を、3組置きます。

【比較例文】(編集部作成・1組目) A:The manual that Ms. Aoki wrote last spring is stored on the shared drive. (青木さんが昨春に書いたマニュアルは、共有ドライブに保存されています。) B:The manual, which Ms. Aoki wrote last spring, is stored on the shared drive. (そのマニュアルは青木さんが昨春に書いたもので、共有ドライブに保存されています。)

【判定の根拠】 手順1で、Aはコンマがなく制限用法です。手順2・3には当たらず、手順4でthatもwhichも使えます。Bはコンマがあるため、手順1でthatが除かれ、whichだけが入ります。意味も、Aは複数のマニュアルから1つを絞る読み、Bは特定済みのものへの補足です。

【比較例文】(編集部作成・2組目) A:Kimura found a key which opened the storage room. (木村さんは、倉庫を開けられる鍵を見つけました。) B:Kimura found the only key that opened the storage room. (木村さんは、倉庫を開けられる唯一の鍵を見つけました。)

【判定の根拠】 手順1・2で、どちらもコンマがなく、keyは人以外です。手順3で、Aには固定する語がなく、手順4でどちらも使えます。Bはthe onlyが付くため、thatに固定されます。

【比較例文】(編集部作成・3組目) A:Takeda thanked the dog which had found the missing hiker. (武田さんは、行方不明の登山者を見つけた犬に礼を言いました。) B:Takeda thanked the volunteer and the dog that had found the missing hiker. (武田さんは、行方不明の登山者を見つけたボランティアと犬に礼を言いました。)

【判定の根拠】 手順1・2で、どちらもコンマがなく、Aの先行詞dogは人以外です。手順3の条件には当たらず、手順4でどちらも使えます。Bの先行詞は、人のvolunteerと人以外のdogの組み合わせです。手順3の「人と人以外の組み合わせ」に当たるため、whichは通常選ばれず、thatに固定されます。

※本例文は編集部が作成したオリジナルです。教材からの転載ではありません。

間違えやすいパターン

右列に、飛ばした手順の番号を付けています。

やりがちな判断正しい判断なぜずれるか
The new lobby, that Hayashi designed, opens on Monday.The new lobby, which Hayashi designed, opens on Monday.先行詞の the new lobby はコンマの前ですでに特定されている非制限用法なので、that は入らず which で受けます(手順1)
Mori missed the last bus, that meant a long walk home.Mori missed the last bus, which meant a long walk home.コンマの後ろの関係代名詞が、前の文全体(終バスを逃したこと)を受けています。that と which のうち、この働きを持つのはコンマ付きの which です(手順1)
The receptionist which welcomed the guests was very polite.The receptionist that welcomed the guests was very polite.先行詞の the receptionist が人なので、which は入りません。who系も候補ですが、その選び分けは本記事の範囲外です(手順2)
This is the longest tunnel which Mori has ever driven through.This is the longest tunnel that Mori has ever driven through.先行詞に最上級の the longest が付いています。この位置は学校文法の説明に沿って that を選び、解説の断定の度合いが揃わない位置のため、手順上は固定しています(手順3)
手順4に当たる文でwhichを見て「誤り」と判断し、thatへ書き換える「どちらも成立する」と判定する先行詞が人以外で、コンマも固定される形も無い文では、規則の上でwhichもthatも使えます。好みの差を誤りとして直しています(手順4)

次に学ぶ論点:関係代名詞の省略へ

この論点は、文の主語・動詞・目的語を見分けて、関係代名詞から始まる節の範囲をつかむ力を前提にしています。つかめない文があれば、先に英語の文型の見分け方で文の骨組みを確認してください。

次の確認点は、その関係代名詞が文から消える場合があるかです。関係代名詞の省略で、省略できる場合とできない場合の見分け方を確認できます。関係詞全体の位置づけは、関係詞の全体像で見渡せます。

出典

【出典】

  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 外国語編 英語編」 https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/28/1407073_09_1_1.pdf (p.38、2026-10-03 確認)

※学習指導要領は改定されることがあります。本記事の記述は上記告示時点のものです。

まとめ

  1. thatとwhichの選択は、コンマの有無、先行詞の種類、固定される形の順に確認すると絞り込めます。
  2. 関係代名詞の直前にコンマがあるとthatは使えず、先行詞が人以外ならwhichが入ります。
  3. 先行詞が人のときはwhichを使えません。人と人以外の組み合わせや、最上級・the onlyなどが付く先行詞ではthatを選びます。
  4. 制限用法で先行詞が人以外なら、固定される形に当たらない限り、whichもthatも成立します。
  5. 規則として説明が揃う部分、解説によって度合いが違う部分、好みで揺れる部分は、分けて読みます。

本記事は英語学習を目的とした情報であり、個別の学習指導・答案添削ではありません。 試験制度・出題形式は変更されることがあります。受験の際は必ず公式の最新情報をご確認ください。 → 免責事項(/policy/)

最終確認日:2026-10-03

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