動詞のあとに別の動詞を置くとき、入る形はto不定詞か動名詞か、動詞ごとにほぼ分かれます。しかも一部の動詞は、形が違うと意味まで変わります。
この記事で分かること
- 目的語に取る形を絞り込む4つの手順
- to不定詞だけ・動名詞だけ・両方取れる動詞の代表例
- remember・forget・try・stop など、意味が変わる動詞の読み分け
対象:学校文法(目的語に取るto不定詞と動名詞・中学校学習指導要領解説に基づく)
結論:不定詞と動名詞はどちらを使うか
不定詞と動名詞のどちらを使うかは、動詞がどのグループに入るかを先に確認し、意味が変わる動詞だけ、言いたい行為の時点で決めます。目的語に取る形が動詞ごとにほぼ決まっているためです。グループは次の4つです。
| グループ | 代表例 | 判断のしかた |
|---|---|---|
| to不定詞だけを取る | want・hope・decide・plan・promise・refuse・agree | 学校文法の基本の扱いでは、to不定詞を選ぶ |
| 動名詞だけを取る | enjoy・finish・avoid・give up・practice・consider・suggest・mind | 学校文法の基本の扱いでは、動名詞を選ぶ |
| どちらも取れる | like・love・hate・start・begin・continue | 多くの場合、どちらの形も成立すると判定する |
| 形によって意味が変わる | remember・forget・try・regret・stop | 言いたい行為が、これからか実際かで決める(stop のto不定詞は目的を表す) |
表の動詞は代表例であり、取れる形が決まっている動詞のすべてを挙げたものではありません。
迷ったときの目安は、to不定詞が「これから向かう行為」、動名詞が「実際に行う行為・行った行為」を表すという捉え方です。ただし、これは目安であり規則ではありません。suggest や consider は先の行為を向いているのに動名詞を取り、like や start は多くの文でどちらの形も取れます。
不定詞と動名詞は何が違うか 動詞のグループで決まる形
to不定詞と動名詞は、どちらも動詞を名詞のように働かせる形で、他動詞の目的語の位置に置けます。他動詞かどうかの判定は、自動詞と他動詞の違い 目的語の有無で見分けるを先に読むと済ませられます。
本記事は、to不定詞か動名詞が動詞の目的語として続く形に限ります。次の形は範囲外です。
- 知覚動詞・使役動詞のあとの原形不定詞
- tell A to do のように人を挟む形
- 前置詞の直後の動名詞と、主語になる不定詞・動名詞
- 分詞構文
中学校学習指導要領解説 外国語編の「文構造」の項(p.39〜41)には、目的語が動名詞・to不定詞・how(など)to不定詞になる形が挙がっています。例に出る動詞は、enjoy と like が動名詞、try と hope がto不定詞を取る形です。
形が分かれる理由は、2つの形の向きの違いで説明されることがあります。この説明では、to不定詞のtoは行為へ向かう方向を示し、動名詞は動作そのものを名詞として扱う形と捉えます。
意味が変わる動詞の読み分け
次の5つの動詞は、to不定詞と動名詞のどちらが続くかで意味が変わります(stop のto不定詞は目的を表します)。こちらも代表例です。
| 動詞 | to不定詞が続く形 | 動名詞が続く形 |
|---|---|---|
| remember | これからする行為を忘れずに覚えている(忘れずに〜する) | すでにした行為を覚えている(〜したことを覚えている) |
| forget | これからする行為を忘れる(〜し忘れる) | すでにした行為を忘れる(〜したことを忘れる) |
| try | 実現を目指して努力する(〜しようとする) | 効果を見るために試す(試しに〜してみる) |
| regret | 残念ながら〜する(伝える内容の前置きに使う固い言い方) | すでにした行為を悔やむ(〜したことを後悔する) |
| stop | 〜するために立ち止まる(to以下は目的を表す) | 〜するのをやめる |
stop は、動名詞だけを目的語に取る動詞です。to不定詞が続く形のto以下は「〜するために」という目的を表し、目的語にはなりません。
不定詞と動名詞を選ぶ4つの手順
以下の順番で確認してください。

手順1:動詞の直後に、to不定詞か動名詞が続いているかを確認する
文の主動詞の直後に、to不定詞か動名詞が続いているかを見ます。人や前置詞が間に入る形は、本記事の手順の対象外です。stop のようにto不定詞が目的を表す形は、この段階では通し、目的語かどうかを手順2で分けます。文の骨組みの取り出しに迷う場合は、英語の文型の見分け方 SVOCの判断の手順に戻ると練習できます。
手順2:意味が変わる動詞かを確認する
動詞が remember・forget・try・regret・stop のどれかに当たるかを見ます。当たる場合は、続く行為が話の時点でまだ行われていなければto不定詞、すでに行っている、または行ったなら動名詞です。try は「実現を目指す努力」か「実際にやってみた行為」か、stop は「足を止めた目的」か「やめた行為」かで読み替えます。ただし regret は例外で、to不定詞は regret to say など、伝える内容の前置きに限られます。当たらない動詞は、手順3の対象です。
手順3:形が決まる動詞かを、代表例の表に照らして確認する
結論の表の1行目と2行目に、その動詞があるかを照合します。これらの動詞は取れる形が語ごとに決まっているため、学校文法の基本の扱いでは、1行目ならto不定詞、2行目なら動名詞を選びます。3行目の動詞は、多くの場合どちらの形も成立する、という判定です。like は含みの差の説明が分かれますが、この判定は変わりません。
手順4:表にない動詞は、意味の目安で当たりを付けて辞書で確かめる
表にない動詞は、意味から当たりを付けます。希望・決意・計画のように先の行為へ向かう動詞はto不定詞、楽しむ・終える・練習するのように実際の行為に向き合う動詞は動名詞が当たりやすい、という見立てです。目安には外れがあるため、最後に辞書の語法欄で形を確かめます。
手順の実演
次の例に、手順を当てはめます。
Mr. Kubo avoided mentioning the delayed shipment during the call. (久保さんは、電話で出荷の遅れに触れるのを避けました。) → 手順1:avoided の直後に mentioning が続いています。 → 手順2:avoid は意味が変わる5つの動詞に入っていません。 → 手順3:avoid は表の2行目にあるため、動名詞を選びます。 → 手順4:表にある動詞のため、使いません。
自作例文での比較
意味が変わる動詞を3組置きます。AとBは、続く形だけが違います。
【比較例文】(編集部作成・1組目) A:Sakamoto remembered to load the spare cable before the workshop. (坂本さんは、研修の前に予備のケーブルを忘れずに積みました。) B:Sakamoto remembered loading the spare cable, so he did not recheck the van. (坂本さんは、ケーブルを積んだことを覚えていて、車を確認し直しませんでした。)
【判定の根拠】 手順2で remember に当たり、Aの積み込みはこれからする行為なので to load、Bはすでにした行為なので loading になります。
【比較例文】(編集部作成・2組目) A:Ms. Fujita tried to open the stuck window, but the frame would not move. (藤田さんは、固着した窓を開けようとしましたが、動きませんでした。) B:Ms. Fujita tried opening the window a little, and the room felt cooler. (藤田さんは、窓を少し開けてみて、部屋が涼しくなったと感じました。)
【判定の根拠】 手順2で try に当たります。Aは to open で、窓を開けることを目指す努力を示す形です。Bは opening で、窓を開ける行為を実際に行い、効果を確かめています。
【比較例文】(編集部作成・3組目) A:Mr. Hamada stopped checking the delivery app after the package arrived. (浜田さんは、荷物が届いて、配送アプリを確認するのをやめました。) B:Mr. Hamada stopped to check the delivery app on his way to the station. (浜田さんは、駅へ向かう途中で足を止めて、配送アプリを確認しました。)
【判定の根拠】 手順2で stop に当たります。Aは checking が目的語で、確認をやめた意味です。Bの to check は目的語にならず、目的を表します。
※本例文は編集部が作成したオリジナルです。教材からの転載ではありません。
不定詞と動名詞の間違えやすいパターン
下の表は、誤った文や文脈と合わない文を、正しい文と並べ、どの手順で防げるかを右列に添えたものです。誤りの側の英文も含め、表の英文は編集部の自作です。
| やりがちな判断 | 正しい判断 | なぜずれるか |
|---|---|---|
| Ms. Ogawa enjoyed to watch the fireworks from the rooftop. | Ms. Ogawa enjoyed watching the fireworks from the rooftop. | enjoy は動名詞だけを取るため、to不定詞は続けられません。手順3で表の2行目に当たります |
| The mayor decided announcing the new bus route in April. | The mayor decided to announce the new bus route in April. | decide が取るのはto不定詞だけです。決定の内容が先の行為を向いている点も、手順3の表で確かめられます |
| Ms. Ishii forgot locking the studio, so the door stayed open all night. | Ms. Ishii forgot to lock the studio, so the door stayed open all night. | 施錠は、まだしていない行為です。手順2で forget に当たり、これからする行為にはto不定詞を合わせます |
| The coach suggested to change the practice time. | The coach suggested changing the practice time. | 先の行為を指していても、suggest に続くのは動名詞です。手順3で照合すれば、目安の外れに当たりません |
| 「Mr. Endo likes walking to work.」を誤りと見なし、likes to walk に書き換える | どちらも成立すると判定する(Mr. Endo likes walking to work. / Mr. Endo likes to walk to work.) | like は両方の形を取るグループで、手順3では「成立する」と判定します。含みの差が説明されることはあっても、どちらかが誤りにはなりません |
次に学ぶ論点:知覚動詞の後ろの形へ
この判断は、他動詞の見極めが前提です。
次は、動詞の後ろに人が入り、動詞の形が続く場面です。see・hear のような知覚動詞では、原形不定詞や分詞が続きます。知覚動詞の後ろの形 原形不定詞・分詞の選び方で、どの形を選ぶかを確認できます。
その先の分詞構文は、分詞構文の作り方 接続詞を消す手順をステップで整理で手順に分けて確認できます。準動詞全体の関係は、不定詞・動名詞・分詞の全体像 準動詞の学ぶ順番で見渡せます。
- 前提になる論点:自動詞と他動詞の違い 目的語の有無で見分ける
- 次に学ぶ論点:知覚動詞の後ろの形 原形不定詞・分詞の選び方
- 分野全体の順番:不定詞・動名詞・分詞の全体像 準動詞の学ぶ順番
出典
【出典】
- 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 外国語編」 https://www.mext.go.jp/content/20210531-mxt_kyoiku01-100002608_010.pdf (2026-10-03 確認)
※学習指導要領は改定されることがあります。本記事の記述は上記告示時点のものです。
まとめ
- 目的語に取る形は動詞ごとにほぼ決まるため、動詞のグループを先に確認します。
- want・decide はto不定詞だけ、enjoy・finish は動名詞だけを取ります。
- like・start は、多くの場合どちらの形も成立する動詞です。
- remember・forget・try・regret・stop は、行為がこれからか実際かで形を選びます。
- 「これから向かう行為はto不定詞、実際の行為は動名詞」は目安で、外れも残ります。
本記事は英語学習を目的とした情報であり、個別の学習指導・答案添削ではありません。 試験制度・出題形式は変更されることがあります。受験の際は必ず公式の最新情報をご確認ください。 → 免責事項(/policy/)
最終確認日:2026-10-03

