形容詞と副詞を語尾の -ly で見分けようとすると、fast・hard・late のような語で判断が食い違います。判断の軸を、その語が説明している相手に置くと、形が同じ語も同じ手順で決められます。
この記事で分かること
- 説明している相手から形容詞と副詞を決める4つの手順
- fast・hard・late のように形が同じ語や、-ly で終わる形容詞の扱い
- hard と hardly、good と well のように取り違えやすい語の組
対象:中学校・高等学校 学校文法(形容詞と副詞の区別・形が同じ語)
結論:形容詞と副詞はどちらを使うか
迷ったときは、その語が何を説明している(修飾している)かを探します。名詞(代名詞を含む)を説明しているなら形容詞、名詞以外を説明しているなら副詞です。
本記事で扱う副詞の相手は、動詞、形容詞、ほかの副詞、文全体の4つです。
| 品詞 | 説明している相手 | 形の例 |
|---|---|---|
| 形容詞 | 名詞(前から説明する) | a thorough check |
| 形容詞 | 主語や目的語(動詞の後ろで状態を言う) | was thorough/made the road icy |
| 副詞 | 動詞 | checked thoroughly |
| 副詞 | 形容詞・ほかの副詞 | very thorough/very thoroughly |
| 副詞 | 文全体 | Luckily, … |
語尾から品詞を決められない語のうち、本記事で扱うのは2種類です。fast・hard・late・early のように形容詞と副詞が同じ形の語と、costly・lonely のように -ly で終わる形容詞です(手順4)。only・even のように名詞の前で働く語は、辞書では副詞として扱われ、解説によって説明に幅があるため、本記事の手順では扱いません。
形容詞や副詞という品詞名の範囲に自信がない場合は、英語の品詞の見分け方を先に読んでください。
形容詞と副詞は何が違うか:説明する相手の違い
形容詞は、名詞の様子や性質を説明する語です。副詞は、動詞・形容詞・ほかの副詞・文全体に、様子や程度などを足す語です。
次の2文は、thorough 系の語を別の相手に付けた、編集部作成の例です。
The plant technician made a thorough check of the valves before the shutdown. The plant technician checked the valves thoroughly before the shutdown. (どちらも「プラントの技術者は、停止の前にバルブを念入りに点検しました」の意味です。)
1文目の thorough は、名詞 check の前に置かれ、点検の様子を説明しています。2文目の thoroughly は、動詞 checked を説明しています。
日本語は「念入りな」「念入りに」と語尾が変わります。英語には語尾が変わらない語があり、そこで品詞の判断が分かれます。
本記事で扱う範囲
- 扱う形:名詞を説明する形容詞(名詞の前、主語や目的語の状態を言う位置)と、動詞・形容詞・ほかの副詞・文全体を説明する副詞
- 扱う形:形が同じ語(fast・hard・late・early)と、-ly で終わる形容詞
- 扱う形:good と well、hard と hardly、late と lately(意味が変わる点だけ)
- 扱わない形:only・even のように名詞や代名詞の前で働く語、something cold のように形容詞が名詞のあとに付く形
- 扱わない形:比較級・最上級、頻度を表す副詞(often など)の置き方
- 扱わない形:口語で形容詞の形が副詞のように使われる例(real good など)、well が「健康で」の意味で形容詞として働く例
比較級・最上級の作り方は、比較級と最上級の作り方 er・estとmoreの見分け方で扱っています。
形容詞と副詞を見分ける4つの手順
以下の順番で確認してください。相手を探し、名詞か名詞以外かで決め、語尾は最後に使う並びです。

手順1:判断したい語が説明している相手を探す
その語を文から取り除いたとき、説明が欠ける語が相手です。位置が近い語が相手とは限らないため、意味が通るかも確かめます。
手順2:相手が名詞なら形容詞と決める
名詞(代名詞を含む)を説明している語は、形容詞です。名詞の前から説明する形は分かりやすく、迷いが出るのは動詞の後ろに来る形です。
be 動詞のほか、look・feel・smell・sound・become などの後ろで主語の状態を言う語も、相手は主語の名詞なので形容詞です。made the road icy のように目的語の状態を言う形も、同じ扱いです。
同じ look でも、後ろの語が主語の状態を言うなら形容詞、見る動作の様子を言うなら手順3へ進みます。
手順3:相手が名詞以外なら副詞と決める
相手に当たるのが動詞・形容詞・ほかの副詞・文全体のいずれかなら、その語は副詞と決まります。
副詞は、動詞の前後、形容詞の前、文頭、文末など、置かれる位置が複数あります。位置からは決まらないため、決め手は手順1の相手です。
手順4:-ly の有無は最後に確かめる
手順1〜3で決めた品詞を、語尾で確かめます。副詞の多くは形容詞に -ly を付けた形で、thoroughly はその例です。本記事で扱う次の2種類の語は、語尾から品詞を決められません。
- 形が同じ語:fast・hard・late・early は、同じ形のまま形容詞にも副詞にもなります。a fast train の fast は名詞を説明する形容詞、ran fast の fast は動詞を説明する副詞です。
- -ly で終わる形容詞:costly・lonely は -ly で終わりますが、名詞を説明する形容詞です。
-ly を付けると別の意味になる組もあります。hard は「熱心に」、hardly は「ほとんど〜ない」を表す別の語です。late「遅れて」と lately「最近」も同じ関係にあります。
good と well は、形が違う組です。辞書や一般的な文法解説の整理では、good は形容詞で、動詞を説明するときは副詞の well を使います。
自作例文での比較
次の3組は、それぞれ別の手順で品詞が決まる例です。
【比較例文】(編集部作成・1組目) A:Ms. Ueda took a fast train to the airport on Sunday. (上田さんは日曜日、空港まで速い列車に乗りました。) B:The airport train ran fast through the tunnel on Sunday. (空港行きの列車は、日曜日にトンネルを速く走り抜けました。)
【判定の根拠】 Aの fast は、手順1で相手が train と分かり、名詞を説明しているため、手順2で形容詞です。Bの fast は、相手が動詞 ran のため、手順3で副詞に決まります。形は同じでも、相手が変わると品詞も変わります。
【比較例文】(編集部作成・2組目) A:The tour guide looked nervous before the first group arrived. (ツアーガイドは、最初の団体が着く前、緊張した様子でした。) B:The tour guide looked nervously at the clock before the first group arrived. (ツアーガイドは、最初の団体が着く前、時計を不安そうに見ました。)
【判定の根拠】 Aの nervous は、looked の後ろでガイドの状態を言っています。手順2で、主語を説明する形容詞です。Bの nervously は、時計を見る動作の様子を説明するため、手順3で副詞です。
【比較例文】(編集部作成・3組目) A:The cheese shipment was late because of the storm. (チーズの荷物は、嵐のせいで遅れていました。) B:The cheese shipment arrived late because of the storm. (チーズの荷物は、嵐のせいで遅れて着きました。)
【判定の根拠】 Aの late は、was の後ろで主語の shipment の状態を言っています。手順2で形容詞です。Bの late は、動詞 arrived を説明しているため、手順3で副詞です。
※本例文は編集部が作成したオリジナルです。教材からの転載ではありません。
形容詞と副詞の間違えやすいパターン
-ly の形に引かれた読み違い、felt の後ろの語、good と well、意味が変わる2組の誤りを示します。英文は、誤りの文も含め、すべて編集部の自作です。
| やりがちな判断 | 正しい判断 | なぜずれるか |
|---|---|---|
| The costly repair delayed the opening of the pool. の costly を、-ly で終わるので副詞と読む | costly は repair を前から説明する形容詞 | costly は repair の前に付いて、修理の性質を言っています。-ly で終わっても、説明している相手は名詞なので形容詞です(手順1・2) |
| The new carpet felt softly under Rina’s feet. | The new carpet felt soft under Rina’s feet. | felt の後ろの語は、主語 carpet の状態を言っています。状態を言う位置なので、形容詞の soft に直します(手順2) |
| The label printer works good after the update. | The label printer works well after the update. | works を説明する語なので、副詞が必要です。good の副詞の形は、辞書の整理では well です。口語の例外は本記事では扱いません(手順3) |
| The crew worked hardly through the night. | The crew worked hard through the night. | 「熱心に」の意味の副詞は hard のままで、hardly は「ほとんど〜ない」を表す別の語です(手順4) |
| The delegation arrived lately for the opening ceremony. | The delegation arrived late for the opening ceremony. | 「遅れて」の意味の副詞は late のままで、lately は「最近」を表す別の語です(手順4) |
次に学ぶ論点:品詞問題の解き方へ
説明している相手から品詞を決める手順は、形容詞か副詞かを選ぶ空所補充にも使えます。thorough・thoroughly のように選択肢が並ぶ練習は、品詞問題の解き方 語尾と働きで判断する手順へ進んでください。
TOEIC L&R の Part5 の空所補充に合わせた練習は、TOEIC Part5品詞問題の解き方 語尾で判断にあります。品詞・文型の論点を学ぶ順に並べた地図は、英語の品詞・文型の全体像です。
品詞の名前が曖昧なままでは、手順1が進みません。手が止まる場合は前提から確認してください。
- 前提になる論点:英語の品詞の見分け方
- 次に学ぶ論点:品詞問題の解き方 語尾と働きで判断する手順
- 分野全体の順番:英語の品詞・文型の全体像
まとめ
- 形容詞か副詞かは、その語が説明している相手が名詞(代名詞を含む)かどうかで決まります。
- 判断は「相手を探す→名詞なら形容詞→名詞以外なら副詞→語尾で確認」の4手順で進められます。
- be 動詞や look・feel などの後ろで主語や目的語の状態を言う語は形容詞、動作の様子を言う語は副詞です。
- fast・hard・late・early は形が同じ語、costly・lonely は -ly で終わる形容詞で、語尾だけでは決められません。
- hard と hardly、late と lately は意味が変わる別の語です。good の副詞の形は、辞書や一般的な文法解説の整理では well です。
本記事は英語学習を目的とした情報であり、個別の学習指導・答案添削ではありません。 試験制度・出題形式は変更されることがあります。受験の際は必ず公式の最新情報をご確認ください。 → 免責事項(/policy/)
最終確認日:2026-10-03

