動名詞と現在分詞は、どちらも -ing の形です。この重なりがあるため、準動詞は形で論点を切り分けられず、どの記事から読むかを決めにくくなります。
この記事で分かること
- 不定詞・動名詞・分詞の形と働きの関係、学校段階での登場時期
- 前提を含む4つの記事を読む順番と、手前の論点が抜けたときに生じやすいずれ
- 週あたりの学習時間ごとの一巡の期間と、TOEIC対策の記事へのつなぎ方
対象:中学校・高等学校の学校文法(不定詞・動名詞・分詞)
準動詞の一覧 不定詞・動名詞・分詞の位置関係
準動詞とは、動詞から作られながら、文の中では動詞以外の働きをする形の総称です。この呼び名を使わず、不定詞・動名詞・分詞を別々の項目として並べる教材もあります。本記事は、3つをひとまとめに見渡すために、準動詞という呼び名を使います。
3つの形と働きを、動詞 open を例にして並べました。
| 名称 | open の形 | 文の中での主な働き | 本記事群での位置 |
|---|---|---|---|
| to不定詞 | to open | 名詞・形容詞・副詞 | 目的語になる形(段階1) |
| 原形不定詞 | open | 知覚動詞のあとなどに現れる | 知覚動詞の後ろの形(段階2) |
| 動名詞 | opening | 名詞 | 目的語になる形(段階1) |
| 現在分詞 | opening | 形容詞。分詞構文では副詞 | 知覚動詞の後ろ(段階2)、-ing で始まる分詞構文(段階3) |
| 過去分詞 | opened | 形容詞。分詞構文では副詞 | 知覚動詞の後ろ(段階2)。過去分詞で始まる分詞構文は扱わない |
過去分詞は、規則変化なら -ed を付けた形です。write に対する written のように、形が不規則に変わる動詞もあります。
-ing が付いた形だけでは、動名詞なのか現在分詞なのかは決まりません。働きは、その語が文の中で担っている役で決まります。
中学校までの不定詞の用法が高校でどう扱われ、何が新しく加わるのか。その点を述べた箇所を、高等学校の解説から引きます。
高等学校では,小学校及び中学校において指導された用法を必要に応じて繰り返し扱いながら,その使い方の理解を深めたり別の場面や異なる表現の中で活用したりできるように指導する必要がある。高等学校では新たに知覚動詞と共に用いる原形不定詞を扱う。
(文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 外国語編 英語編」「不定詞の用法」)
この記述によると、高校では中学校までの不定詞の用法を必要に応じて繰り返し扱い、知覚動詞と共に用いる原形不定詞が新たに加わります。ほかの準動詞の登場時期は、2冊の解説の記述を次の表に整理しました。
| 項目 | 解説が示す学校段階 | 参照した箇所 |
|---|---|---|
| to不定詞(名詞的・形容詞的・副詞的用法) | 小学校は名詞的用法に限られ、中学校で3つの用法が項目に挙がる | 高校解説 p.37、中学校解説 p.49 |
| 原形不定詞 | 中学校の項目に挙がり、例に let を使った文がある。知覚動詞と共に用いるものは高校で新たに加わる | 高校解説 p.37〜38 |
| 動名詞 | 小学校は動名詞を含む文を扱うにとどまり、中学校で文法事項になる | 高校解説 p.35、中学校解説 p.50 |
| 現在分詞・過去分詞の形容詞としての用法 | 中学校の項目として挙がる(修飾する語の前に置く場合と後ろに置く場合) | 中学校解説 p.50 |
| 分詞構文 | 英語コミュニケーションⅠの文法事項として、必要に応じて扱う | 高校解説 p.35 |
表の「必要に応じて」は、解説の言い回しです。学校によって、また使う教材によって、授業での扱いの厚みは異なります。
使役動詞のあとの形、to不定詞の意味上の主語、不定詞の形容詞的用法と副詞的用法の個別の使い方、独立分詞構文、完了分詞構文は、本記事では扱いません。配下の3本の記事も、独立分詞構文と完了分詞構文は対象外です。分詞構文の記事が作る形は -ing で始まるものに限られ、過去分詞で始まる形も含みません。主語になる不定詞・動名詞と、tell A to do のように人を挟む形も、配下の3本の対象外です。
名詞を修飾する分詞(-ing と -ed の選び方)と、前置詞の直後の動名詞も、配下の3本の外にあります。この2つは、TOEIC Part5品詞問題の頻出パターンを整理のパターン2とパターン4です。ここに並べるのは、編集部が選んだ4本の記事だけです。準動詞の論点を残らず並べたものではありません。
準動詞の学習順マップ 目的語の形から分詞構文へ
準動詞の4本は、動詞の後ろに続く形を確かめる記事から、分詞が文全体に意味を添える記事へ進む順に並べました。この並びは編集部の整理で、解説が学習順として示したものではありません。

前提の自動詞と他動詞は、段階1の土台です。目的語を直接取る動詞かどうかが見えていれば、to不定詞や動名詞が目的語として続いているのか、目的を表す別の働きで付いているのかを区別しやすくなります。
段階1には、目的語に取るto不定詞と動名詞を置きました。小学校の段階から文の中に現れる2つの形を、動詞の目的語という同じ位置で比べられるためです。中学校の解説にも、to不定詞と動名詞は別々の項目として立っています。
段階2は、動詞の後ろの形を、目的語のさらに後ろまで広げる記事です。知覚動詞では、目的語のあとに原形不定詞、現在分詞、過去分詞のどれかが続きます。段階1で動詞ごとに形が決まる様子を見ておくと、知覚動詞のあとの原形不定詞に to が付かない点を、to不定詞との対比で受け止めやすくなります。知覚動詞と共に用いる原形不定詞は、先ほどの引用のとおり高校で新たに加わる項目です。
段階3の分詞構文は、高校の解説が必要に応じて扱うとする項目で、学校段階では、中学校から項目が立つ段階1より後に位置します。段階2の -ing の形は、目的語がどんな状態かを述べる役でした。段階3では、同じ -ing の形が、主節の動作に時や理由などを添える役へ移ります。段階2で -ing の形の役を確かめてから段階3へ進む並びにしました。
準動詞の論点別ガイド 前提と3段階の記事
各記事の入口を、問われる内容とつまずく場面の2点で紹介します。判断の進め方そのものは、リンク先の記事に任せます。
前提:自動詞と他動詞の区別
動詞の直後に、前置詞を挟まずに目的語を置けるかどうかを見分ける論点です。日本語の訳に引かれて前置詞を足してしまう動詞や、必要な前置詞を落としてしまう動詞で、誤りが出ます。この判定に絞った1本が、自動詞と他動詞の違い 目的語の有無で見分けるです。
段階1:目的語に取るto不定詞と動名詞
動詞の目的語として、to不定詞と動名詞のどちらが続くかを決める論点です。動詞ごとに続く形がほぼ決まっている一方、remember や try のように、形によって意味が変わる動詞があります。動詞のグループごとの違いは、不定詞と動名詞の使い分け 目的語に取る動詞の判断が、代表例の表とともに整理しています。
段階2:知覚動詞の後ろの形
see や hear のような知覚動詞のあとに、原形不定詞、現在分詞、過去分詞のどれを置くかを決める論点です。目的語の後ろの形が3通りあり、受動態にすると to が現れる点で迷いが生じます。知覚動詞の後ろの形 原形不定詞・分詞の選び方は、3通りの形を決める順序から、受動態での to の現れ方まで追っています。
段階3:分詞構文の作り方
主節と主語が同じ、接続詞付きの文を、-ing で始まる形に書き換える論点です。接続詞を消すと、前後がどんな意味でつながるのかが文面から見えにくくなり、読み方が分かれる場面があります。分詞構文の作り方 接続詞を消す手順をステップで整理は、接続詞を消す、主語をそろえる、動詞を分詞にするという3つの操作を1段ずつ順に追う構成です。
順番を入れ替えたときに起こりやすいずれ
分詞構文の記事は、単独で読んでも3つの手順は追えます。ただ、-ing の形が段階2では目的語の様子を述べ、段階3では主節の動作に情報を添えるという移り変わりは、手前の記事を読んでおくと整理しやすくなります。
ずれの出方を、読み始める記事ごとに分けると、次の表のようになります。表の各行は、編集部が4本の記事の内容から組み立てた仮説です。学習者への聞き取りや調査は行っていません。
| 読み始めた論点 | 手前の論点で使う見方 | 手前の見方が欠けたときに生じうるずれ |
|---|---|---|
| 段階1 目的語に取る形(前提が抜けた場合) | 前置詞を挟まずに目的語を置けるかどうかを見る | to不定詞や動名詞が目的語なのかを判断しにくく、動詞ごとの形の違いが暗記に寄る場合がある |
| 段階2 知覚動詞の後ろの形(段階1が抜けた場合) | 動詞ごとに後ろの形が決まっているという見方 | 原形不定詞に to が付かない点を、to不定詞との対比なしに丸暗記しやすくなる |
| 段階3 分詞構文(段階2が抜けた場合) | -ing の形が、目的語の様子を述べる役を担う場面を見る | 分詞が誰の動作を表すのかを確かめる習慣が薄く、主語が違う文まで主語を消してしまう場合がある |
不定詞や動名詞の基本形にすでに慣れている場合は、段階1を流し読みして、段階2から入れます。段階2で形の根拠がつかめなければ、その時点で段階1を開き直せば足ります。
準動詞の一巡にかかる時間の見積もり
前提を除く3本を読み切る時間を、編集部は3.5時間と見込んでいます。段階1は動詞の代表例を確かめる記事なので1.5時間、段階2と段階3は1時間ずつです(1.5+1+1=3.5)。時間は、解説と自作の例文を読み終えるまでが基本です。確認問題を置いた記事は、解答を確かめるところまで含めて数えます。段階1は例文の比較で確かめる構成で、確認問題が付くのは段階2と段階3です。この数字は編集部の想定であり、実際に測った値ではありません。
1週間に確保できる時間によって、一巡が終わる時期は次の表のように変わります。
| 週の時間の取り方 | 合計(式) | 3.5時間を使い切るまで |
|---|---|---|
| 平日5日は毎日30分、休日2日は1時間ずつ | 0.5×5+1×2=4.5時間 | 3.5÷4.5で約0.8週。1週間以内に収まる |
| 平日のうち3日だけ30分 | 0.5×3=1.5時間 | 3.5÷1.5で約2.3週。3週目に入る |
| 休日の2日だけ1時間ずつ | 1×2=2時間 | 3.5÷2で1.75週。2週目の後半 |
前提の自動詞と他動詞の記事も読む場合は、編集部の見込みで1時間を足し、合計4.5時間です。週4.5時間を取れるなら、ちょうど1週間で一巡します。呼び名に慣れるところから始める場合は、3本それぞれに30分ずつ上乗せしておくと余裕が出ます。その場合の3本は計5時間で、週4.5時間なら約1.1週です(5÷4.5)。
この3.5時間には、読み直しに回す時間を含めていません。一巡した時点で準動詞を自在に使えるかどうかは、人によって異なります。
時制・仮定法・品詞文型の学び直しも必要な場合は、英文法のつまずきとは何か 学び直しの進め方で、つまずきの型を切り分けて分野ごとの入り口へ進めます。ただし、準動詞はこの記事の対象にありません。
試験対策との関わり
TOEICや英検で準動詞がどの程度問われるかについて、本記事は数字を示しません。出題の中身を知りたい場合の確認先は、各試験の公式ページです。
TOEICの文法問題で失点しないための解き方は、TOEICと英検の両方に通じる考え方を軸にした記事です。空所が品詞・時制・語彙のどのタイプの問題かを見分け、タイプ別の解説記事へ進む入り口を示しています。準動詞そのものの解説は含みません。準動詞の4本を読む前に開いても、あとから開いても構いません。
試験対策の記事で準動詞の形が出てきて止まったときは、この地図に戻り、止まった形がどの段階の論点にあたるかを確かめます。段階が分かれば、読み直す記事が決まります。
出典
【出典】
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 外国語編 英語編」 https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/28/1407073_09_1_1.pdf (p.35・p.37〜38、2026-10-03 確認)
- 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 外国語編」 https://www.mext.go.jp/content/20210531-mxt_kyoiku01-100002608_010.pdf (p.49〜50、2026-10-03 確認)
※学習指導要領は改定されることがあります。本記事の記述は上記告示時点のものです。
まとめ
- 準動詞は、動詞から作られ、文の中で動詞以外の働きをする形の総称で、不定詞・動名詞・分詞の3つです。動名詞と現在分詞は、どちらも -ing の形です。
- 学習指導要領の解説によると、中学校ではto不定詞の3つの用法、動名詞、分詞の形容詞としての用法を扱います。知覚動詞と共に用いる原形不定詞は高校で新たに加わり、分詞構文は高校の英語コミュニケーションⅠで必要に応じて扱う項目です。
- 編集部の学習順は、自動詞と他動詞の確認を前提に、目的語に取る形、知覚動詞の後ろの形、分詞構文の順です。解説が示した順序ではありません。
- 手前の記事を読まずに進むと、形を選ぶ根拠が暗記や勘で補われがちになります。この見立ては編集部の仮説で、学習者への調査にもとづくものではありません。
- 3本を一巡する時間は、編集部の想定で3.5時間です(段階1が1.5時間、段階2と3が各1時間)。週4.5時間(平日30分×5日+休日1時間×2日)を確保できれば1週間以内に収まる見込みです。習得の度合いまでは示せません。
本記事は英語学習を目的とした情報であり、個別の学習指導・答案添削ではありません。 試験制度・出題形式は変更されることがあります。受験の際は必ず公式の最新情報をご確認ください。 → 免責事項(/policy/)
最終確認日:2026-10-03