関係代名詞の省略 できる場合とできない場合の見分け方|英文法の地図

関係代名詞の省略の見分け方を解説する記事のアイキャッチ 文法項目別の解き方

名詞のあとに主語が突然続く文を読み、関係代名詞が省かれたのかどうか見当がつかないことがあります。書く側でも、外してよい条件の基準がないと決めきれません。可否を左右するのは、関係代名詞の直後に続く語です。

この記事で分かること

  • 省略できる関係代名詞とできない関係代名詞の線引き
  • 直後の語から可否を決める4つの手順
  • コンマ・whose・前置詞の例外と、省略された文の読み方

対象:中学校・高等学校 学校文法(関係代名詞の省略)

関係代名詞の省略とは何か 目的格は省略できる

省略できるのは、原則として制限用法の目的格の関係代名詞です。主格は原則として省略できません。

関係代名詞の省略とは、「先行詞+関係代名詞+主語+動詞」から関係代名詞だけを外すことです。目的格でも、コンマで区切る非制限用法と、前置詞が直前に付く形は省略できません。whose も省略できません。

中学校でどこまで扱うかは、学習指導要領の解説で確認できます。

関係代名詞については,主格の that,which,who,目的格の that,which の制限的用法を指導する。また,接触節については,関係代名詞と併せて指導することも考えられる。

出典:文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 外国語編」p.44(続く例文は p.44〜45)

続く例文には、関係代名詞を置かない形が含まれています。編集部は、接触節がその形を指すと読んでいます。

非制限用法は、高等学校の解説が新たに指導する内容として挙げています。whom と前置詞+関係代名詞は、中学校・高等学校の両解説で確認した範囲では挙がっていません。本記事は段階を区切らず、省略の可否だけを整理します。

that と which のどちらを選ぶかで迷う場合は、先に関係代名詞thatとwhichの違いを確認してください。関係副詞との境は、別の記事に分けています。

関係代名詞の省略でつまずくのは、先行詞を見て可否を決めるとき

見る場所がずれると、省略の可否で迷います。

1つ目は、先行詞が人かモノか、that か which かで可否を考えることです。「人を受ける who は省けない」と覚えると、人を先行詞にする目的格の省略を見落とします。可否を決めるのは、関係代名詞が節の中で主語なのか目的語なのかという働きです。

2つ目は、省略された文を「途中で切れている」と感じて読み飛ばすことです。名詞の直後にもう1つ名詞が来て動詞が続く並びは、関係代名詞が省かれた目印です。

3つ目は、「目的格は省略できる」を、コンマ付きの文や前置詞が直前に付く形にまで広げることです。

関係代名詞を省略できるか判断する4つの手順

以下の順番で確認してください。

関係代名詞の省略を判断する4つの手順を示した図

手順1:コンマ付きか、whose かを確認する

関係代名詞の直前にコンマがないか、whose でないかを先に確認してください。コンマで区切る非制限用法は、学校文法では省略できないと扱われます。省くと、前の内容に補足を足すつながりが示せなくなると整理できます。

whose は直後に名詞が続く形のため、省くと名詞が宙に浮き、省略しません。

手順2:前置詞が直前にあるかを確認する

前置詞が関係代名詞の直前に付いていないかを見ます。to whom や in which の形は省略できません。前置詞を残して関係代名詞だけを省くと、前置詞が次の名詞に付いたように読め、意味が変わるためと整理できます。前置詞が文末に残る形は、手順3に進みます。

手順3:関係代名詞の直後の語が主語か動詞かを確認する

関係代名詞の直後に名詞や代名詞(Haruka など)が続けば、目的語の働きをする目的格です。動詞や助動詞が続けば、主語の働きをする主格です。欠けているのが主語か目的語かは、英語の文型の見分け方の考え方でも確かめられます。

直後に often のような副詞や、I think・she says のような短い挿入が入るときは、それらを飛ばして次の語を見ます。飛ばした先に動詞が続くなら、主格です。

手順4:目的格は省略できる、主格は原則省略できないと判定する

目的格は省略でき、主格は原則として省略できません。目的格を省いても、先行詞の直後の主語から節が始まると読み取れます。主格を省くと先行詞の直後に動詞が来て、節の切れ目が分からなくなると整理できます。

例外として、くだけた口語や一部の方言では、there is 構文や挿入が入る形で主格が省かれる例があり、教材によって扱いが分かれます。主格が抜けた文を読むときは、例外を疑います。書くときは、関係代名詞を補っておくと迷いません。

次の5文で確認します。

  • The cake that Haruka baked for the picnic disappeared in ten minutes.

(ハルカさんがピクニックのために焼いたケーキは、10分でなくなりました。) → 手順1・2に当たらず、手順3で that の直後が Haruka(主語)なので目的格です。手順4により省略できます。

  • The mechanic who repaired Kondo’s bicycle works at the shop near the station.

(近藤さんの自転車を修理した整備士は、駅の近くの店で働いています。) → 手順3で who の直後が repaired(動詞)なので主格です。手順4で、who を省くと動詞が2つ並ぶため省略しません。

  • The community center, which Sakurai visits every Sunday, closes at five.

(桜井さんが毎週日曜日に通う公民館は、5時に閉まります。) → 手順1で、which の前にコンマがある非制限用法と分かるため、直後が主語でも省略しません。

  • The clerk to whom Ueda handed the form was new.

(上田さんが書類を渡した店員は、新人でした。) → 手順2で、to が whom の直前に付いているため省略しません。

  • The clerk Ueda handed the form to was new.

(前置詞を文末に回した形です。) → to が文末に残り、clerk の直後に Ueda(主語)が続くため、目的格が省かれた形です。

読解では手順を逆向きに使います。名詞の直後に「主語+動詞」が続く並びを見つけたら、間に that か which を補って読みます。

確認問題(編集部作成)

上の4手順だけで解ける問題を2問置きます。手を動かしてから解答を見てください。

【確認問題1】 次の3文のうち、関係代名詞を省略できない文はどれですか。

A. The lantern that Mizuno hung above the gate lit up the whole street. B. The volunteers who arrived at the shrine after noon carried the heavy drums. C. The stall that Okada runs near the shrine sells grilled corn.

【解答】 B

【解説】 3文とも手順1・2には当たりません。手順3で、A は that の直後が Mizuno、C は Okada で、どちらも主語が続くため目的格です。B は who の直後が arrived(動詞)で、主格です。手順4で、A・C は省略でき、B は省略できません。

【確認問題2】 次の文で関係代名詞が省略されているとすると、that を補う位置はどこですか。

The guitar Sato kept in the closet for years was finally repaired.

A. guitar と Sato の間 B. Sato と kept の間

【解答】 A

【解説】 手順3で、guitar の直後に Sato(主語)が続き、kept の目的語が節の中で欠けているため、省かれたのは目的格です。手順4により、guitar と Sato の間に that を補えます。

※本問・本例文は編集部が作成したオリジナルです。過去問・教材からの転載ではありません。

間違えやすい罠:先行詞の種類で決める判断と、例外の形

次の表は、省略の可否を取り違えやすい5つの場面です。

やりがちな判断正しい判断なぜずれるか
人を受けるから省略できないと考え、The neighbor Tsuji helped last winter moved away. を誤りとみなす目的格なら、先行詞が人でも省略できる。手順3で Tsuji(主語)が続くため、whom(または that)を補える先行詞の種類を見ていて、関係代名詞が節の中で果たす働きを見ていない
目的格だからと、コンマ付きの文でも省略する(The community center, Sakurai visits every Sunday, closes at five.)コンマで区切る非制限用法は省略しない。手順1で除く直後が主語かどうかだけで決め、前にあるコンマを見ていない
前置詞が直前にある形を、そのまま省略する(The clerk to Ueda handed the form was new.)前置詞が直前に付く形は省略しない。前置詞を文末に回した形なら省略できる目的格という点だけに目が行き、前置詞の位置を見ていない
主格は省略できないと決め、There’s a customer wants to talk to the manager. のような文を誤りとみなす原則は主格を省略しないが、くだけた口語や一部の方言では there is 構文などで主格が抜ける例があり、教材によって扱いが分かれる。読むときは例外として扱い、書くときは関係代名詞を補う原則を、例外のない規則として覚えている
the woman waiting at the gate を、主格の関係代名詞だけを省いた形と考えて誤りとみなすthe woman who is waiting at the gate から who is をまとめて省いた形で、関係代名詞だけを省く場合とは別の形。本記事の手順の対象外省かれたのが関係代名詞だけか、be動詞を含むかを区別していない

次に学ぶ論点:関係代名詞と関係副詞の違いへ

関係代名詞を選べることが前提です。迷ったら、先に選ぶ手順へ戻ってください。

次は where や when のような関係副詞との境で、後ろに続く文の形から見分ける手順を関係代名詞と関係副詞の違いで確認できます。関係詞の学習順は、関係詞の全体像で見られます。

出典

【出典】

  • 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 外国語編」 https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/18/1387018_010.pdf (p.44〜45、2026-10-03 確認)
  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 外国語編 英語編」 https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/28/1407073_09_1_1.pdf (p.38、2026-10-03 確認)

※学習指導要領は改定されることがあります。本記事の記述は上記告示時点のものです。

まとめ

  1. 省略できるのは、原則として制限用法の目的格で、主格は原則省略できません。
  2. 可否は、コンマ・whose、前置詞の位置、直後の語の順に確認して決めます。
  3. 直後に主語が続けば目的格、動詞が続けば主格です。副詞や短い挿入は飛ばして次の語を見ます。
  4. コンマ付きの非制限用法、whose、前置詞が直前に付く形は、省略できません。
  5. 省略された文は、名詞の直後の「主語+動詞」を目印に、that か which を補って読みます。

本記事は英語学習を目的とした情報であり、個別の学習指導・答案添削ではありません。 試験制度・出題形式は変更されることがあります。受験の際は必ず公式の最新情報をご確認ください。 → 免責事項(/policy/)

最終確認日:2026-10-03

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